――突然米国に引っ越したことで、カルチャーショックはありましたか?
徳島の学校は、変な発言をすると先生からチョークが飛んでくるようなTHE 昭和な環境だったから、アメリカの自由な雰囲気に本当にびっくりしちゃって。
ある日、教室の机が輪っかに並べられてたんです。それを見て最初は「みんな給食を食べた後に直さなかったんだ」と思ってたら、みんな普通な顔してそのまま席に座るんですね。そしたらさらにびっくりすることに先生が輪の中央に立って授業を始めるんですよ。先生に「そこ違うと思う」って意見する生徒が出てきたり。「うわー、こりゃ怒られるぞ」って思ってたのに、先生もその子をほめるもんだから、目の前で何が起こっているのかわからなくなりました。
帰ってから「アメリカってこうなの?」と母に訊いちゃいましたもん。何から何までもう一度「学び直す」感覚でしたね。
「私みたいなシンガーソングライターはごまんといる」
――アンジェラ・アキさんと言えばピアノの弾き語りのイメージが強いですが、ピアノを始めたのはいつ頃からですか?
ピアノは小さな頃からやってたんです。当時住んでいた場所は、テレビは二つのチャンネルしか放送していなかったんですね。山に囲まれているから全然電波が入ってこない(笑)。
だからかテレビではよく演歌が流れていたんですが、初めて聴いた曲でも次のコードが何なのかもう想定できていた記憶があります。次の展開を当てるゲームをプレイしているかのように音楽を聴いていました。
――そこからシンガーソングライターを志したきっかけは?
ジョージ・ワシントン大学に進学した一年生の頃、あるライブを見に行った時に「私は音楽をやるために生まれてきたんだ」という使命感みたいなものを感じたんです。そのアーティストが歌っているのを見て、心が揺れ動くものがあったんですよね。
ただ、「やっぱり私には音楽だ」と思って、親に歌手になりたいと相談したら「ナンセンスだ! ちゃんと勉強して大学を卒業しなさい」って言われちゃって……。今となってはすごく感謝をしているんですが、うちの両親ってすごく厳しくて、学費は出してはくれましたがお小遣いや家賃はくれないし、教科書も自分で買えって言うタイプで。
