日本中に眠っている個性的な物件・住宅を紹介している、チャンネル登録者数75万のYouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』。

 そんな人気チャンネルを運営している中の人に、団地物件について話を聞いた。

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――今回は福岡でレトロすぎる団地を見てきたそうですね。

ゆっくり不動産(以下、ゆっくり) いつものように物件資料を眺めていて、むむむ、となる物件を見つけてしまったんです。「ないもあるもその人次第な最高の無空間」。これはまた尖ったコンセプトだなと。資料によれば、住む人が続きを考えることを前提としていて、答えを用意していない物件らしいんですよね。

見た目はごくごく普通の団地だが…(YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

後から付け足されたウッドデッキが馴染む団地

――実際に現地に到着されて、外観の印象はいかがでしたか。

ゆっくり 外から見た印象は、ごくごく普通の団地でした。どっしりとした骨太な感じで、どこか安心感があります。築47年、4階建ての建物が3棟並んでいて、派手さはないけれど管理はしっかりされているな、という印象です。

築47年、4階建ての建物が3棟並んでいる (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

――敷地全体にも特徴があったそうですね。

ゆっくり 建物と建物の間にしっかりと余白があって、見通しの良い配置になっているのがいいですね。駐車スペースがゆったりしているのも、車文化のこのエリアでは嬉しいポイントだと思います。

駐車スペースがゆったりしているのも、車文化のこのエリアでは嬉しいポイント(YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

――アプローチにはウッドデッキもあったとか。

ゆっくり はい。シンボルツリーのあるアプローチがウッドデッキになっていました。後から付け足されたものという印象でしたが、ちゃんと馴染んでいて、むしろこの団地に最初からあったような感じさえしました。

シンボルツリーのあるアプローチがウッドデッキに (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

最高の無空間、その正体

――玄関を開けた第一印象は。

ゆっくり それが、まるで工事中かのような空間で。床は貼られておらず、一瞬、部屋を間違えたかと思いました。玄関と土間の境い目もわからない。スロープまでを土間にしてもいいし、全部を土足で使ってもいい。どこまでをどう使うかは、住む人次第ということでした。DIY好きな方は「これは住みたい!」と唸るような空間ですね。

玄関を開けると工事中のような空間が… (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

――まさにコンセプト通りですね。

ゆっくり シューズボックスもなく完全にフリーで、靴をそのまま並べてもいいし、自転車なんかを置いてもいい。玄関からしてすでに正解が用意されていない感じで、序盤から物件のコンセプトに翻弄されてしまいました。

――キッチンも広々と綺麗な印象です。

ゆっくり 特に印象的だったのは、アコーディオンカーテンで仕切られた空間です。躯体むき出しのインダストリアルな雰囲気から一転して、洗練された空間が広がる。その奥には、当時の面影を残した落ち着いた和室があります。空間ごとに全く表情が違うんです。

アコーディオンカーテンで仕切られた空間 (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

――水回りも個性的だったとお聞きしました。

ゆっくり 元々は扉があったであろう場所に、今はオープンの状態で水回りがありました。洗面スペースはタイルを剥がした跡が残り、むき出しの配管がラボっぽい雰囲気です。トイレも扉がなく、大きな窓から光が洗面まで抜けてきて、ある意味合理的かもしれません。

壁も剥き出しで自由にDIYを楽しめる空間 (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

――浴室はいかがでしたか。

ゆっくり 在来の浴室スペースをリニューアルした感じで、浴槽がどことなくバランス釜を彷彿とさせました。団地らしさをあえて残している感じが、個人的にはとても共感できましたね。

浴槽がどことなくバランス釜を彷彿させる仕様 (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

――どんな方が住むのでしょうか。

ゆっくり 完成形を良しとするのではなく、あえて余白を残しているのがこの物件らしさなのだと思います。住む人が続きを書いていく前提で用意された、面白いコンセプトが詰まった物件でした。決まった暮らし方よりも、自分なりの正解を考えるのが好きな人に刺さりそうだな、と感じましたね。

次の記事に続く 《築62年》「正直、どう見ても団地だが…」イメージを覆す令和の団地のスゴすぎる共用設備《エレベーター、大工、菜園、BBQスペースまで》

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。