日本中に眠っている個性的な物件・住宅を紹介している、チャンネル登録者数75万のYouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』。

 そんな人気チャンネルを運営している中の人に、団地物件について話を聞いた。

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――今回は特に「団地のイメージを覆す」物件を内見されたとうかがいました。

ゆっくり不動産(以下、ゆっくり) いつものように物件資料を眺めていて、思わず「ムムムな物件」を見つけてしまったんです。今回は東京都足立区にある、進化した団地をご紹介します。

東京都足立区にある、進化した団地 (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

――団地というと、少し古い、狭いといったイメージを持つ方も多いかもしれません。

ゆっくり そうですよね。昭和50年代に建設のピークを迎えたこともあり、一般的には古いイメージが強いかと思います。ですが、今回内見したのは、そんな固定概念を覆すようなリノベーション団地でした。

築62年の建物がリノベーションで進化

――建物の築年数は?

ゆっくり 建てられたのは1964年、前回の東京オリンピックの頃で、築62年にもなります。団地の中でも古い建物なのですが、リノベーションによって生まれ変わったと聞いて、とても楽しみにしていました。

団地の中でも古い建物だが、リノベーションによって生まれ変わった (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

――実際に訪れてみて、第一印象はいかがでしたか。

ゆっくり 外観は、正直なところ「どう見ても団地」でした。外壁はきれいに塗装されていましたが、見慣れた団地の姿そのものです。ただ入り口に近づくと、バルコニーに向かってゆるくカーブしているバリアフリーのスロープがあったんです。これはどんな物件でも見たことがなく驚きました。

バルコニーに向かってゆるくカーブしているバリアフリーのスロープ (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

シェア菜園から後付けエレベーターまで。驚きの共用設備

――敷地内には特徴的な設備があったそうですね。

ゆっくり まず驚いたのが「シェア菜園」です。希望者は有料で区画を借りることができ、農具などもシェアで用意されているとのことでした。団地を運営するフージャースアセットマネジメントさんにお聞きしたのですが、1階の部屋には専用の庭も付いているそうです。

一階の部屋には専用の菜園付き (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

――都心で菜園とは、緑も増えていいですね。

ゆっくり さらに驚いたのが、共用通路です。スロープを進むとその先にまさかのエレベーターが設置されていたんです。

築62年の団地なのにエレベータが… (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

――エレベーターですか。古い団地では珍しいですね。

ゆっくり 4階や5階まで階段というのがお決まりですからね。これもリノベーションの際に後付けで設置したそうで、もともと部屋だった部分を削って作ったと聞いて、二度驚きました。

 他にも、今や必須設備ともいえる宅配ロッカーも完備されていました。築62年の団地にあると思うと、ありがたみが違います。

庭には宅配ロッカーも完備 (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

「プロの大工さんが常駐」DIYで暮らしを自由にデザインする

――共用設備は他にもあったのでしょうか。

ゆっくり アウトドア好きにはたまらない設備が充実していました。入居者さんが無料で使える「シェア倉庫」には、バーベキューグリルや鍋、椅子やテントまで揃っていて、もうキャンプに行かなくてもいいくらいです。

鍋や椅子、テントを借りて庭でBBQもできる  (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

 敷地内にバーベキュースペースも用意されていますから。そして、この団地の最大の魅力ともいえるのが「シェア工房」です。

――工房、ですか。

ゆっくり この団地は、入居者さんが室内をDIYできるのがコンセプトなんです。ただ、初心者だと何から手をつけていいかわからないですよね。そこで、プロの大工さんに団地の一室に住んでいただき、月に1回、DIYの相談会を開いているそうなんです。

プロの大工さんに団地の一室に住んでいただき、月に1回、DIYの相談会を開いている(YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

――プロの大工さんが直々に教えてくれると。

ゆっくり 工具も一通り揃っているので、自分で作業場所や道具を用意する必要がありません。イメージを形にするのをプロが手伝ってくれるなんて、DIYをやりたい人にとっては最高の環境だと思います。

――そうなると、お部屋の中がどうなっているのか気になります。

ゆっくり 私が見せていただいたのは37平米の2DKのお部屋で、前の入居者さんがDIYした状態のままになっていました。玄関の壁が紫だったり、キッチンの壁がピンクや茶色に塗装されていたり。

DIY物件の中には紫の家も… (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

 他にもいくつか事例の写真を見せていただきましたが、皆さん本当に自由でした。自作のデスクやクローゼットはもちろん、テレビがぴったり埋め込まれた収納棚、まさかの筋トレ用インクラインベンチまでありました。人それぞれの好みで、自由に空間を作れるのは本当に素敵です。

水回りも完備 (YouTubeチャンネル『ゆっくり不動産』より)

――設備だけでなく、暮らし方そのものが新しいですね。

ゆっくり この団地のもう一つの特徴は、入居者さんが自主的にイベントを企画されることだそうです。近所のパン屋さんを集めた「パン祭り」や、毎週末のように開催されるバーベキュー、さらには「犬とサウナ」というイベントまであったと聞いて驚きました。

 そういった企画ができるコミュニティや、開催できるスペースがあるのも、この団地の強みだと感じます。建物がアップデートされているだけでなく、暮らし方そのものが最先端というか。団地が持つ「古い」というイメージは、完全に払拭されました。

最初から記事を読む 「築77年の団地の部屋が…」戦後直後に建てられた最古級「48型」の団地の「衝撃的な現在」《全国に5棟のみ》

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。