「マジ? 行けた? 決勝って行けんだ」
2025年12月21日の夜、芸人コンビ・カナメストーンの2人は「M-1グランプリ 2025」敗者復活戦の会場から決勝の舞台へ向かう道すがら、興奮の中でそれしか言葉にできずにいた。出場を始めてから11年、ラストイヤーでついに叶えた悲願の決勝進出だった。
そんな夢の舞台から2か月半、2人はどんな心境でいるのだろうか。寝るとき以外は常に一緒にいるという、自他ともに認める「仲良しコンビ」の素顔にライターのねむみえり氏が迫った。
クリスマスに2人揃って消費者金融の審査に落ちた
カナメストーンは中学からの同級生コンビ。2人の大学卒業時、ボケの山口誠がサッカーのプロテストに落ちたと聞いたツッコミの零士が「お笑いやろうよ」と誘ったのがきっかけで、芸人の道に足を踏み入れた。同居生活を始めたのもその時だ。それから16年、ケンカもせずに仲良く暮らし続けている。
山口「友達なんだよね。相方より先にやっぱ友達、親友が来るんで。だから友達じゃなくなっちゃうのは意味ないというか」
零士「そうだね。お笑いは続けたいし、ウケたいですけど、仲悪くなって、もう友達じゃないってなるぐらいだったら、お笑いはやらないほうがいい」
何より仲良く一緒にいることが一番大事――。その信念を守りながら、漫才の腕を磨いてきた。そんな2人が抱える借金は、合わせて750万円。決して少ない金額ではない。しかし、そんな心配事も2人にとっては仲良く暮らすためのスパイスにすらなるという。
零士「クリスマスに、一緒に消費者金融の審査に行ったんですよ。それで別々の個室で審査を受けて、2人で同じタイミングで出てきて、2人とも落ちたんです。『クリスマスに借りにくるやつにぐらい、貸してくれよ』みたいなことを言い合って。それで、仲間意識がまた強まりましたね」
山口「『7万も貸してくれねぇのかよ』って」
M-1決勝進出の影響でスパチャが100万円に
貧乏暮らしも楽しみながら挑戦を重ね、ついに達成した『M-1グランプリ』決勝進出の影響は絶大だった。その変化を最も分かりやすく感じたのが、決勝後に行ったYouTubeの生配信だ。それまでは200人程度だった視聴者は一気に1万人を超え、お祝いのスパチャが殺到したという。
零士「『M-1』のあとだし、1000人ぐらいは来てくれるのかなって準備してたんですよ。それで始めたら、あっという間に1000人超えて、気付いたら10000人になってて。スパチャもOKにしてたんですけど、全然追いつけなくて。1回の配信で100万。やばいですよね」
これまで、借金しながらギリギリの貧乏生活を仲良く乗り越えてきたカナメストーンの身に突如降りかかった“M-1ドリーム”の莫大な影響。2人は戸惑いながらも、自分たちらしさを守るために、ある決断をする――。メディア露出も増えてきて、次のステージに歩み始めたからこそ、譲れないものとは?
<つづく>
◆◆◆
この文章の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。


