いま米国では、世界が注目する裁判が進行している。幼少期からのSNS利用で精神疾患を発症したとする当事者などが、フェイスブックやインスタグラムを運営するメタ社などのSNS運営企業の責任を問う訴訟を各地で起こしているのだ。

 

 本裁判やSNSの「病的使用」について取り上げた3月12日配信の「週刊文春 電子版」記事より一部を抜粋してお届けします。

小学生の犯罪被害が最多に

現代社会のコミュニケーションには必須だが…

 訴訟の中で明らかになった2019年のメタ社内の資料には、インスタグラムのフォロー推奨機能により、未成年に性的行動をとる人物(グルーマー)へ推薦されたアカウントのうち27%が未成年のものだったと記されていた。そこには「我々はグルーマーが若者を見つける手助けをしている可能性がある」とも言及されていたという。メタ社の元エンジニアリング・ディレクター、アルトゥーロ・ベジャー氏が続ける。

「メタ社は子どもたちが自社のサービスで性的な被害に遭っていると認識しているにもかかわらず、子どもたちの安全を無視している。若いユーザーを、費やす時間と影響力、そして将来的な利用価値でしか評価していないからです。子どもたちにとってSNSの中毒性が高いことも認識していながら、彼らを危険にさらし続け、子どもたちは被害を経験した後も、SNSを使い続ける。現経営陣による利益重視のアルゴリズム設計の下では、子どもたちの安全を確保することは不可能です」

 こうした資料や証言からは、SNS運営会社が子どもへの悪影響について「見て見ぬふり」をするさまが浮き彫りになる。

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 子どもとSNSの問題は、決して海外だけのものではない。日本でも2月、ある調査結果が注目を集めた。国立病院機構久里浜医療センターによる調査で、10代の男女でSNSの「病的使用」が疑われるのは約7%。全国で約75万人に上ることが明らかになったのだ(病的使用の度合いがチェックできる設問は、同センターのウェブサイトで確認できる)。

 調査に従事した同センターの樋口進名誉院長が解説する。

「『病的使用』とは、いわゆる依存と呼べるものですが、SNSに関しては依存の定義がまだ明確になっていないので、このような表現になりました。SNSをめぐる問題は依存だけではない。いじめの温床になっているほか、SNSの過剰使用とうつ病を関連付ける論文も公表されています」

 SNSを契機とした犯罪被害も低年齢化している。警察庁の2025年の統計によれば、不同意性交や不同意わいせつといった子どもの犯罪被害のうち、SNSに起因する被害に遭ったのは1566人。このうち小学生は167人。過去10年で最多の数字だ。

樋口氏

ルールを破ってしまう子には…

 いじめやメンタルヘルスへの影響、犯罪被害など、子どもに深刻なダメージを与えかねないSNS。我が子をトラブルから守るために、親世代にできることは一体何なのか。専門家に徹底取材した結果、7つのルールが見えてきた。

《この続きでは、我が子をSNSトラブルから守る「7ルール」を詳しく報じている。記事の全文は現在配信中の「週刊文春 電子版」で読むことできる》

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