異世界の存在である“あやかし”と人間が共存する世界を舞台に、出会うはずのなかったふたりが真実の愛をつかむ究極のラブストーリー『鬼の花嫁』。原作小説、コミカライズも大ヒットしている本作を実写映画化した池田千尋監督と、鬼の花嫁に選ばれる、ヒロインの東雲柚子を演じた吉川愛が語り合った。
柚子が“三次元に浮き上がった”瞬間
──吉川さんのキャスティングはどのように決まったのですか?
池田 映画では柚子の設定が大学生になっています。柚子は原作だともう少し「女の子らしい女の子」。でも、「王子様に助けてもらうシンデレラ」ではなく、応援したくなる等身大のヒロインにしたいと考えていました。吉川さんなら強い芯を秘めた柚子を演じてくれると思っていたので、オファーを受けていただけて、本当にうれしかったです。
吉川 ありがとうございます。脚本を読んで、家族を大事に想い、家族に必要としてもらいたいと強く願う気持ちが、柚子の芯になっていると感じました。最初に監督とお会いしたときに、柚子のこれまでの人生や性格、何を大事に生きてきたのかなど、とことん話し合いました。深いところまで監督と話し合わせていただき、とても大切な時間をいただくことができたと思っています。
池田 「どんなに冷たくされても、柚子は家族が好きで大事なんだと思う」と、吉川さんに言われて、はじめて柚子というキャラクターが二次元から三次元に浮き上がってきました。「葛藤しながらも家族の愛を信じ求める柚子像」が膨らんだのは吉川さんのおかげです。
吉川 自分なりに感じた柚子を大事にしたかったので、原作はあえて読みすぎないようにしました。原作ファンの方が映画をご覧になったら「違う」と言われてしまうかもしれませんが……(苦笑)。
池田 原作のイメージや世界観は大事ですが、ただトレースすればいいわけではありません。原作にある核を掘り出して、映画の軸にしていく。そのアプローチが吉川さんとも永瀬(廉)さんとも一致していたので、ブレずにいい作品づくりができたと感謝しています。


