「メディア野次馬」にとってたまらない読み比べ案件があった。13日に衆議院を通過した、2026年度予算案のニュースである。

高市推しの産経新聞はどう書いていたか?

 今回の大きな特徴は、予算を話し合う審議時間がとても短かったことだ。通常は80時間程度が目安とされるが、今回は59時間しかなかった。これは過去20年でいちばん短い。また、予算を詳しく調べるための「分科会」も開かれなかった。分科会は、各省庁の予算を細かくチェックする大事な場だが、今回は37年ぶりに行われず、まるごと省かれた。

高市早苗氏 ©時事通信社

 こうした事態をメディアはどう報じたのか? 朝日新聞は『強気の首相 強引な審議』、毎日新聞と東京新聞は『与党「数の力」』と批判的だった(14日)。ここまでは予想通りである。では普段から高市推しの産経新聞はどう書いていたか?

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『高市流 審議の常識破る』

 すごい! 常識破りって、なんだか大谷翔平みたいだ!

 記事では「勉強熱心で政策通の首相は、国会の与野党交渉の経験は少ない」と書き、予算案についての慣例も「首相には通用しなかった」。やはり高市さんすごいモードである。

 さらに産経新聞は、首相側近の言葉も紹介していた。

「首相は純粋な人だ。『国民生活に影響を生じさせないよう年度内に成立させた方がいいでしょう。なぜそうしないの?』と考えている」

 さて、なぜここまで審議時間が短くなったのかと言えば、高市首相が衆議院を解散したからだろう。本来なら1月から始まる予算の話し合いが選挙のために遅れた。それなのに「なぜそうしないの?」とは、やはり首相は他責思考なのかと気づく。産経新聞の「解説」が大いに役立ったのである。