「週刊文春」および「週刊文春 電子版」で2月末にスタートした短期集中連載「村上世彰とフジテレビ『20年目の復讐劇』」。2006年に『ヒルズ黙示録 検証・ライブドア』『ヒルズ黙示録 最終章』を上梓して以来、村上氏を追い続けてきた記者の大鹿靖明氏が執筆するスクープ連載最終回より、一部を抜粋してお届けする。

 村上世彰の前に、ついにフジはひれ伏した。村上は因縁の相手から巨額をかすめ取り、更なる窮地に追い込んだのだ。「20年目の復讐劇」を完遂させた村上は、しかし「次なる標的」も見つめていた。スクープ連載最終回。

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 あれから20年である。華やかなスポットライトを浴び、時代の寵児としてもてはやされていた村上世彰は、インサイダー取引の容疑で東京地検特捜部に逮捕された。無罪を訴え争ったが有罪が確定。逮捕直前、東証の記者クラブで「僕はもうこの世界に戻ってこない」と宣言したにもかかわらず、再び株取引に戻ってきた。

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 以来、誰もとがめだてする者はなく、向かうところ敵なし。彼の万能感は肥大していく。それはまるで六本木ヒルズ騒動の演出家だった20年前と同じだった。すべてゲーム感覚でやっているのだ。

 かくして村上は2025年12月、フジ・メディア・ホールディングス(FMH)に対し、1株4000円で敵対的な株式公開買い付け(TOB)を実施し、33.3%まで買い占める、とFMHに通告してきた。すでに17.95%も買い占めており、あと15%余り買い足す、というのである。

お台場のフジテレビ本社ビル

 ただし、FMHが、サンケイビルなど不動産事業をスピンオフするか完全売却に向けて動き、大幅な株主還元策を公表するのであれば、TOBは行わない、とも付け加えている。

 村上特有のブラフだ。本音は後者にある。

 だが、FMHの清水賢治社長は、そうとは受け止められなかった。社長就任以来、半年以上にわたる村上とのやり取りにすっかり疲れ果てていた。「もう村上に翻弄されるのはうんざり。嫌になっていたのだろう」。グループ幹部は清水の心中をそう思いやる。

 執拗な攻撃によって相手を根負けさせるのが、村上のいつもの手口である。

 FMH首脳陣の1人は、こう言う。「村上さんは頭がいいし、抜かりがない。十分いろんなことを研究したうえで喋っている。人間の心理とかも突いてきますからね。あの人」と。

 金光修、清水の二代の社長にわたって村上に対峙してきたものの、こうしたことに関しては村上のほうが1枚も2枚も上手だった。

この続きでは、村上氏が漏らした「次に狙う2つの標的」などを詳しく報じている。記事の全文および連載第1回、第2回、第3回、最終回は現在配信中の「週刊文春 電子版」で読むことできる》

この記事の詳細は「週刊文春電子版」でお読みいただけます
村上世彰が漏らした「次に狙う2つの標的」【スクープ連載 最終回】

村上世彰が漏らした「次に狙う2つの標的」【スクープ連載 最終回】

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