広告代理店のガリバー、電通グループの経営不振が波紋を広げている。2025年12月期連結決算は純損益が3276億円の赤字に陥った。
買収した海外子会社の不振が続き、3101億円の減損処理に踏み切った。電通グループの赤字は3年連続で、純損失は過去最大の規模に膨らんだ。
また、電通株の配当は25年12月期は無配、26年12月期も復配の見通しは立っておらず、電通の業績不振が影響をもたらすのは電通グループや子会社群だけにとどまらない。戦前の「同盟通信」を母体とする時事通信、共同通信がそれぞれ5%以上の電通株を保有しているとみられ、無配が経営にダメージを与えるからだ。
「時事通信の救済を軸に」
「現預金が豊富な共同はともかく、時事は24年間も営業赤字が続いている。年間10億円とも20億円ともいわれる電通株の配当で赤字を補ってきただけに、相当困っている」(メディア幹部)とされる。
気さくな人柄で契約社から慕われている時事の境克彦社長だが、この苦境をどう克服するのだろうか。「電通グループの経営不振が長引けば、時事の救済を軸にメディア再編の機運が生まれるかもしれない」(ブロック紙幹部)という見方もあり、新聞・通信社の間には微妙な空気が広がっている。
全国の新聞発行部数は1997年の5376万部がピーク。その後は減少傾向が続き、最近は2500万部を下回っている。しかし全国の新聞社や通信社に大きな破綻や再編は生じていない。
「業界の規模が半分になっても地殻変動が起きていない。宅配制度と広告を基盤にした新聞社のビジネスモデルの強固さを感じさせる」(産業アナリスト)とみられてきた。
