河合への尋問に立ったマイコさん

 翌24年10月、マイコさんは貞操権侵害を訴え、損害賠償を求めて河合を提訴。対して河合は、2人の関係は結婚前提の真剣交際ではなく性交渉が目的だったと主張した。冒頭の陳述書は河合が提出したものだ。陳述書にはこうある。

〈積極的に騙そうというより、勘付かれたらそれで終わりだなという認識でした〉

〈(避妊なしの性行為について)言い出したのは私だとしても、結局は原告も同意していたことです。原告が本当に嫌がっていたのであれば、その後、性交渉には応じていなかったはずです。原告は嫌なことははっきり言う性格でしたので、原告の意思に反して何かしようなどとは全く思いませんでした〉

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 25年10月の本人尋問では、被害者の会のメンバーが傍聴席から見守る中、マイコさんも河合への尋問に立った。

マイコさん「避妊なしの性交渉、私が嫌って言ったら、やめたんですか?」

河合「やめました」

 だが、マイコさんは交際当初、都合の良い不倫相手にされたくはない旨のメッセージを送っている。これについて尋ねると、

河合「すいません、そこがどう一致してるのか分からない」

マイコさん「嫌なことをやめてないんですから、矛盾しますよね」

河合「…………」

 同年12月、東京地裁は貞操権侵害を認めた。そしてマイコさんの成果給減少も考慮した上で、河合に調査会社への支払いや適応障害の治療費なども含む約151万円の支払いを命じたのだった。

判決には交際の過程が赤裸々に

 河合が勤務する博報堂に対し、一連の事案や処分について質問状を送ったが、「在籍確認も含めまして、すべてお答えをしておりません。コンプライアンス遵守を企業の根幹ととらえており、それに反するような行為があったと判明した場合には、厳正な対応を行う」とのみ回答した。

 1年2カ月に及ぶ裁判。その過程で裁判官から和解を勧められたこともあったが、マイコさんは応じなかった。