トランプ大統領と高市首相に通底するもの

 対立している人物が亡くなった際に「うれしく思う」と投稿してしまう姿には、決定的に「行間」の概念がない。「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだ」という高市発言にも似たものを感じる。

 もしこれが歴代の首相、たとえば宮澤喜一のような政治家の発言だったとしたら、笑顔の裏に嫌味や警告を忍ばせながらトランプを持ち上げているのだろう、とこちらも面白く勘ぐる余地があったかもしれない。しかし今回の発言にはそうした外交の「行間」はあったのか。高市氏にも「米国に対し、主体的に事態を沈静化させることを求める意図もあったとみられる」(信濃毎日新聞社説)というが、これまでの言動の感じそのままにも思える。

 高市氏の姿は一本の線でつながっているようにも見える。例の台湾有事発言も同様だ。歴代首相が守ってきた戦略的曖昧さの文脈に位置づけられるものではなく、思ったことをそのまま語ってしまった印象を残した。

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 過去のブログでの消費税発言をメディアに検証された際、当該記事がすぐに削除されたことも記憶に新しい。発言の背景にどのような思考の変遷があったのかという議論に入る前に、検証そのものが閉じられてしまった形だった。

 さらに、いわゆるサナエトークン問題についても、事務所や関係者がどこまで関与していたのかが問われ始めた段階で説明は途切れたままだ。公的な発言と私的な立場との距離感が見えにくい印象を受ける。

 これらの対応からは、行間だけでなく「公」の喪失も浮かぶ。こうした言葉の扱い方には、トランプ氏と高市氏にどこか共通するものを感じるのは私だけだろうか。

 そうした思いを抱きながら各紙を読んでいくと、毎日新聞に『サナエ・ドナルド同盟』(伊藤智永専門編集委員)というコラムがあった(3月21日)。ここでも両者の共通点を挙げていた。大衆人気、ハッタリ屋、自分勝手、議会嫌い、経済最優先、軍事力信奉などを挙げた上で「気が合うわけだ」としている。

 さらに注目はここだ。