ボートレース「発祥の地」は、長崎の大村競艇場
現在、全国には24のボートレース場が存在するが、その位置は偏在しており、「西高東低」の傾向がある。最北端は桐生競艇場(群馬県みどり市)、最東端は江戸川競艇場(東京都江戸川区)で、北海道、東北、北陸地方には競艇場はない(※福井県には三国競艇場があるが、近畿地区扱いとなっている)。一方、1952年に初の競艇競走が行われた「発祥の地」は、最西端・最南端にある大村競艇場(長崎県大村市)だ。西日本には各地にボートレース場が多く、それが地域別の売上にも反映されている。
ボートレース場ごとに見ると、7カ所までは200億円を超えており、トップの平和島と福岡は300億円を超えている。「競艇の聖地」とも呼ばれ、年末に優勝賞金1億円のSG競走・賞金王決定戦(ボートレースグランプリ)の開催地となることが多い住之江(大阪市住之江区)は全体4位の249億円。次いで江戸川の244億円、戸田(埼玉県戸田市)の216億円、蒲郡(愛知県竹谷町)の203億円、浜名湖(静岡県湖西市)の202億円と続いている。
レース場の入場人員は、合計849万4863人。もっとも多いのは戸田で、81万3571人。ついで福岡が61万3216人。続いて、浜名湖が55万8418人、尼崎(兵庫県尼崎市)が53万7199人、多摩川(東京都府中市)が53万5933人となっている。ただし、場外発売所や電話、インターネットでの購入もあり、入場人員の順位と売上額の順位は一致しない。
ご飯の上にトロトロに煮込んだ牛スジとスープ
BTSのみの順位で見ると、7カ所で100億円を超えている。前出の梅田が突出して高く、次いで全体10位の神戸新開地(神戸市兵庫区)が159億円。以降、横浜(横浜市中区)で144億円、岡部(埼玉県深谷市)で123億円、名古屋(名古屋市港区)で113億円となっている。
「各地の競艇場の個性もボートレースの魅力です。例えば、多摩川競艇場の名物・牛炊(ぎゅうすい)はご飯の上にトロトロに煮込んだ牛スジとスープをかけた“ぶっかけ雑炊”。『ギャンブル飯の最高峰』との呼び声もあります。また、桐生競艇場はナイターを開催しており、指定席には畳エリアもあるので常連客は横になって観戦していますね」(前出・競艇ファン)
競艇は、ボートレース場によって水面やコースの条件が違い、また各地区の支部に選手が所属しているため地域対抗戦という側面もある。いずれもレース結果を予想するための要素となるが、各地の売上データを眺めていると、より予想が味わい深くなるかもしれない。
(文中の売上金額は、億円単位まで四捨五入した)