がんになって「原点」に戻れた

たた 時々企業さんから「うちで一緒に何かやりましょうよ」と声をかけてくださっていたんですが、「僕なんか」という気持ちが強かったんです。たまたまダイエットでバズっただけで、管理栄養士でも、インストラクターでもない。「自分はそんなに価値ないですよ」と。

 ゲイやコンビニの仕事って、世間から低く見られがちじゃないですか。そういうイメージを払しょくしたいとSNSで発信を始めたはずなんです。それがだんだん、賞とか取ってインフルエンサーとして認められたりするうちに、目標が変わってしまった。

 がんになって原点に戻れました。講演会をやるとなったら、来てくれるのは50人とか100人程度。以前だったら「これだけフォロワーがいるのにこの規模ってしょぼくない?」と引け目を感じていたかもしれない。でも今は、50人でも見てくれるんだったらやりたいと思えるようになったんですよね。

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がんを機に「原点」に戻れた ©山元茂樹/文藝春秋

──人数ではなく、一人ひとりに伝えようという思いになったんですね。

たた そうですね。今はさらに人生が楽しくなりました。だから自分にとっては、がんになったのはプラスだったなと思います。