やはり高市首相の感覚は「おもしろい」。そう痛感したのは予算案の年度内成立が見送られた際のコメントだった。

読売新聞は、「野党への恨み節を口にした」と報じ…

「予算案の年度内成立が実現しなかったことは残念だ。全ては国民の安心と『強い経済』構築のためという思いだったが、野党の皆さんと共有できなかった」

 読売新聞は、首相は「参院で『壁』として立ちはだかった野党への恨み節を口にした」と報じた(3月31日)。

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先月アメリカ・ワシントン近郊のアーリントン国立墓地を訪れた高市早苗首相 ©時事通信社

 参院自民党の存在も大きかったはずだが、予算不成立は野党のせいだったのか……。似たような意味で、少し前の産経新聞には首相側近の言葉が載っていた。

「首相は純粋な人だ。『国民生活に影響を生じさせないよう年度内に成立させた方がいいでしょう。なぜそうしないの?』と考えている」

 なぜそうしないの?という首相の「純粋」な思いに、SNSでは「土日審議を拒否する野党は怠慢ではないか」という批判も広がった。

 今回の審議時間は短く、分科会も見送られるなど異例続きだった。国会日程そのものがいつもと違っていた。予算審議は約1カ月遅れて始まっている。なぜかと言えば、高市首相が通常国会冒頭に衆院解散をしたからだ。あの時点で3月末の年度内に成立はできない、予算より解散なのかという批判があった。しかしそれらは忘れて「他人のせい」というのは高市政権になってからのお約束の光景だ。その振る舞いは一定の支持を集めるから首相自身も止めることはない。

 こうした「純粋さ」を止める声が周囲から聞こえてこないのもまた現在の政権の特徴なのだろう。自民党を大勝に導いた高市氏には何も言えない状況があるのだろうか。

 さて年度内成立が難しくなったあとも、首相の姿勢は少し不思議だった。野党側は参院で首相出席の集中審議を求めたが、与党は応じなかった。理由については「いろいろ事情がございまして、難しい」と説明され、首相の日程が「重要な要素」とも語られている(朝日新聞4月2日)。首相はかつて衆院選の演説で「私にばっかり(答弁が)当たる」と語ったとも報じられている。