自民党内からも「世間は冷ややかだ」という声が…

 自民党内からも「法制化の根拠となる事実がない」「世間は冷ややかだ」という声があることが紹介されている。感情がそのまま政策の根拠になっていくとすればかなり気になる。国家のリーダーがどの段階で感情と制度を切り分けるのかは、もっと慎重に見ておく必要があるだろう。Xへの投稿が多いのも、論理より感情に訴えるほうが簡単だからだろうか。

高市早苗首相 ©時事通信社

 さらに言えば、最近話題となったサナエトークン問題も、単発の仮想通貨騒動だけではなく、高市首相をそのまま考える問題に思える。政治と支持者組織、資金や民間活動との境界がどこにあるのかが見えにくくなっている印象があるからだ。サナエトークンは高市氏が首相になってからの話であることも要注意だ。現在進行形で「公」と「私」の境界が問われている問題でもある。

 高市首相が掲げる「強い国」という言葉は政権の重要なキーワードだが、国家の強さは制度の「側(がわ)」だけで成立するものではないはずだ。

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 公私の境界が曖昧になったり、判断が一人の思考に依存するような状況が続くとすれば、それはどこかアンバランスにも見える。「強い国」という言葉が繰り返されるほど、その中身のあり方も丁寧に見ておく必要があるのではないか。

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