及川光博の『相棒』ラストシーン
神戸尊は、古巣の警察庁に異動するというかたちで特命係を去る。
シーズン10の最終話「罪と罰」で、右京を結果的に欺くような行為をしたことから「自分はもはや特命係にはいられない。上層部の意向があったとはいえ、杉下さんが大事にしているものを踏みにじってしまった」と覚悟したのである。必要があればいつでも特命係に顔を出せるというポジションへの異動ではあるが、ラストシーン、愛車で送ろうとする尊を断った右京の言葉には哀愁が漂う。
〈やめておきます。ようやく一人に慣れてきたところですから〉(『相棒 season 10下』)
及川は『相棒』を卒業するにあたって、こんな言葉を残している。
〈『相棒』という作品を通して、表現者としてタフになったと思いますね。もちろん、そういったことは全部、水谷先生に教えてもらったことです(中略)。主に撮影の待ち時間ですけど、人間について、人生についてもおしゃべりさせていただきました。待ち時間が長い時は、結構深い話もできたんですよ。苦労も努力もひっくるめて、とにかく人生を楽しまないとって、教えていただきましたね(中略)。水谷さんが日々口にしていらした“台本以上”という言葉を胸に、僕はこの作品を卒業します。台本に書かれている世界をより面白く表現すべく、創意工夫と努力を忘れずに今後も精進していきたいと思っています。3年間、ありがとうございました!〉(『オフィシャルガイドブック相棒vol.3』産経新聞出版)
別れ際、及川光博がどうしても伝えたかった“一言”
別れ際、水谷は及川からあることを頼まれた。
「光ちゃんが『最後までずっと我慢していました』と言って、『熱中時代』の劇伴(サントラ)のアルバムを出したんです。『これにサインしてください』って。可愛いところがあるんですよ」
亀山も神戸も上からの命令で特命係にやってきた。3代目になる相棒は彼らと違い、右京自らが選んだ相手である。しかも、右京とは親子ほども年の差があった。
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