「人が死ぬ時に後悔することランキング」上位は?

坂井 ぐんぴぃさんが今までの人生で一番後悔していることって何ですか?

ぐんぴぃ 一番で言えば、それこそ街頭インタビューで「童貞です」って言ったことですよ(笑)。あの時街頭インタビューを断っていれば、また違ったマシな人生だったんじゃないかなと。後悔はめっちゃしましたね。

坂井 でも、後悔って2種類あるんですよ。

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ぐんぴぃ 後悔も2種類あるんですか!?

坂井 逆に、ぐんぴぃさんが死ぬ時に一番後悔しそうなことは何だと思いますか?

ぐんぴぃ うわぁ〜「童貞キャラとかやらないで、もっと自由に人生を謳歌すればよかった」とか。呪縛かもしれないですね。都度の後悔はめっちゃあるんですけどね。『あちこちオードリー』[テレビ東京]に出た時に、「佐久間(宣行)さんのせいでお笑いがマニアックになったんじゃないですか」って言おうと思ったけど、俺みたいな若造がこういうこと言っちゃあ……みたいにいろいろ思って結局言わなかった。終わった後に「なんで言わなかったんだろう、今しか言えないことなのに」って。言わなかった後悔の方がやっぱりずっと覚えています。

坂井 ちなみにそれは、2種類目の「不行為後悔」って言うんですよ。後悔には「行為後悔」「不行為後悔」の2種類があるんです。行為後悔というのは「愚かなことをしてしまったな」という後悔です。不行為後悔は「やった方がいいことをしなかった」という後悔。

ぐんぴぃ バキ童のインタビューに答えたっていうのが「行為後悔」ですね。

坂井 でも今、本当はどう思ってます?

ぐんぴぃ インタビューは結局仕事につながったりしたので、そこまで後悔していないですね。

坂井 そうなんですよ。それが大事で。緩和医療の専門医である大津秀一先生が『死ぬときに後悔すること25』[新潮文庫]という本の中で、1000人を超える末期患者が吐露した後悔を25項目に集約しているんですが、そのほとんどが不行為後悔なんです。「◯◯をしなかったこと」で人間は後悔している。例えば、「健康を大切にしなかったこと」「自分のやりたいことをやらなかったこと」「他人に優しくしなかったこと」「故郷に帰らなかったこと」「会いたい人に会っておかなかったこと」「愛する人に『ありがとう』と伝えなかったこと」「自分の生きた証を残さなかったこと」です。ということで、不行為後悔の方が後悔として残りやすいんです。なんでだと思います?

ぐんぴぃ やってないからじゃないですか?

坂井 それでいいです(笑)。理由は2つあって、1つ目が「ツァイガルニク効果」。

ぐんぴぃ 何言ってんだ! 架空の言葉だろ!

坂井 架空ではない(笑)。ググると出てきます。すごくシンプルで、「人は完了した課題はすぐに忘れるが、未完了な課題はよく記憶する」というのがツァイガルニク効果です。「今年のうちにあれやっとかなきゃな」とか「あのタスク漏れてるからメール返さなきゃ」とか。

ぐんぴぃ 未練が残っちゃうんだな、基本的には。

坂井 2つ目が「心理的免疫システム」。要は、辛いことを覚えておくと辛いから、脳が良い経験だったと正当化したり、失敗を挽回する行動を取ったり、忘れようとしたりするわけです。

ぐんぴぃ うわ、おもろい! そうか! バキ童のインタビューを受けたことは辛すぎるけど、「でもそのおかげで坂井さんに会えたから」みたいな感じで無理やり正当化してる。坂井さんに会えたから何なんだ!(笑)

©平松市聖/文藝春秋

坂井 そうなんですよ(笑)。行為後悔は「あれをやらなかったとしたらもったいなかったから、結果良かったじゃん」と思い込むから忘れちゃうんです。

ぐんぴぃ へえー! じゃあやった方がいいんですね。やって失敗したって気持ちよくなるんだから。

坂井 でも、ものすごく元も子もないことを言うと、結局「自信のある奴」は何も後悔しないんだろうなと。

ぐんぴぃ いいだろ、そんな奴は(笑)。