日本経済の中心地、東京・丸の内から“マル秘”財界情報をくわしくお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「丸の内コンフィデンシャル」。最新号からダイジェストで紹介します。

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ホンダ社長続投のナゼ

 ホンダが2026年3月期に最大で6900億円の最終赤字に陥る見通しだ。三部敏宏社長は、40年に電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)の販売比率を100%にすると息巻いていたが、EV市場全体の勢いが失速。関連する資産や設備の除却損などを計上するためだ。

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 同社が最終赤字に陥るのは上場以来、初めてのこと。27年3月期も損失が発生する見通しで、今期と合わせれば、損失規模は最大で2兆5000億円に達する異常事態だ。

「ジャパンモビリティーショー2025」で、EV車「ゼロシリーズ(後に開発中止)」を発表するホンダ社長の三部敏宏氏 ©EPA=時事

 三部社長の経営手腕にはいくつもの疑問符が付く。最大の問題は、24年12月に発表した1兆1000億円の自社株買いだ。株式市場を大きく動かしたビッグサプライズで、その後ホンダ株は一時、1700円近くまで上昇したが、今回の巨額損失で1200円台まで下落。「1兆1000億円をドブに捨てたようなものだ」(証券アナリスト)。

 収益構造にも異変が生じている。従来、二輪事業で手にした利益を四輪に注ぎ込んできた同社だが、“頼みの綱”である二輪事業に暗雲が漂っている。

「EV開発に人員を割いたため、アジア向け二輪の開発で後手に回った。中国やインドネシアで普及が進む電動二輪に対応できていない」(ホンダ関係者)

 ところが三部社長は報酬を自主返上するだけだ。経営統合を模索していた日産自動車(イヴァン・エスピノーサ社長)は、25年3月期に6700億円の連結最終赤字を計上。責任を取る形で当時の内田誠社長は事実上解任された。業界では「日産以上の赤字見通しなのに、三部氏はなぜ続投するのか」と首を傾げる向きは少なくない。

 事実上、経営責任が問われないのは役員からの牽制が働いていないからだ。

※この続きでは、ホンダ幹部がコメントしています。約5500字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年5月号に掲載されています(丸の内コンフィデンシャル)。

出典元

文藝春秋

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