おとり物件ではないか確認するための一番いい方法
まず伝えたいことは、異常に安い賃料の物件はもはや手に入らないということ。数年前までは、実際に来店を促す一つの武器として、いい物件をポータルサイトには載せず、店舗のみで紹介するということが成立していた。ところが、現在では競争ルールが厳しくなってきていて、不動産事業者の視点に立ってみれば、ほとんどのユーザーからの問い合わせが、ポータルサイト経由となっている現実がある。つまりポータルサイトにいい物件を載せないことには商売にならないのだ。賃料などの条件は、ウェブ上で一覧できる。不当に高かったり安かったりする物件というのが、次第に淘汰される時代になっていると言えるだろう。だから、お得物件が急にポータルサイトに掲載されるということは、まずないと思ってほしい。
「この物件、いいかも」と思ったとき、おとり物件ではないかを確認するために一番いい方法は、不動産事業者と「現地待ち合わせ」を要望するということ。そうすれば、「架空物件」や「意思なし物件」を見分けることができる。直球で「ひょっとして、おとり物件ですか?」と聞いてみるというのも手かもしれない。また、基本的には「気に入った物件だけを現地で見せてもらえばOKです」と言い切ることも大切だ。気になる言動があれば、「会社名 おとり」、「会社名 評判」と検索してみれば、得られる情報もあるだろう。
不動産ポータルサイト5社と公取協では、不動産事業者や管理会社、仲介業者など、関係者を対象とした「おとり広告」に関する勉強会を全国で行なっている。幸いなことに、回数を重ねるごとに、違反件数は目に見えて減少傾向にある。これまで述べてきたように、ユーザー側の心がけによって「おとり広告」に惑わされるリスクを回避することも十分可能であることを、知ってほしいと思う。