競輪場も場外車券場もない「競輪空白県」は4県
利用者数でも見てみる。ただし、統計上の利用者数は、1日に1人2回、場外車券場に入ると、2人とカウントされるために、正確な数値とは言えず、あくまでも参考の数字だ。トップはやはり「ラ・ピスタ新橋」となり、333万904人だ。
次いで「ケイドリームス・ドーム館林」が2番で、利用者数204万1139人。「利根西前売サービスセンター」(群馬県前橋市)が3位で、136万288人となっている。さらに前橋市には「サテライト前橋」もある。利用者数は16位で42万9358人。群馬県としてみると、3ヶ所を合わせて383万785人となり、「ラ・ピスタ新橋」を抜く。
ちなみに、同じ北関東の栃木県には、宇都宮競輪場はあるものの場外車券場はない。
なお、競輪場も場外車券場もない「競輪空白県」は、山形県、長野県、石川県、沖縄県の4県となっている。
4番目には「サテライト水戸」が入った。9位の「サテライトしおさい鹿島」と合わせると、186万9318人となる。
5番目は「サテライト船橋」(千葉県船橋市)で、11番目の「サテライト市原」(千葉県市原市)と13位の「サテライト成田」(千葉県芝山町)、56位の「サテライト鴨川」(千葉県鴨川市)と合わせて、千葉県全体で見ると233万1153人となり、茨城県全体を超える数になる。
「競輪は小倉発祥で、もともと九州と縁が深い」
1人当たりの売上を見てみよう。筆者が売上額を利用者数で単純に割った。もっとも高かったのは「サテライト宇佐」(大分県宇佐市)で、2万6427円。ラ・ピスタ新橋と比べると、売上単価は実に8倍。次いで「サテライト宇土」の1万7864円。3位は「サテライト鴨島」(徳島県吉野川市)で1万5173円、4番目は「サテライト熊本新市街」(熊本市中央区)で1万4813円となっている。九州では、「サテライト中洲」(福岡市博多区)も8位に入っている。
「競輪は小倉発祥ということもあり、もともと九州と縁が深い。かつては、中野浩一(福岡)や井上茂徳(佐賀)といった“九州ライン”の選手がGIレースを勝ちまくって九州中を沸かせていた時期もありました。
また、熊本には『コンドル』という老舗の競輪専門紙がある。コメントが豊富に載っておりファンの評判も高い新聞ですが、最近はネット販売しているので全国で手に入れることができます」(前出・競輪ファン)
次いで目立つのが新潟勢。5番目は「サテライト妙高」(新潟県妙高市)は1万4261円、6番目も同じ新潟県で「サテライト新潟」(新潟市中央区)は1万4229円となっている。
競輪の売上はピーク時の1991年度(約1兆9500億円)から3分の1以下に落ち込み、事業から撤退する自治体も相次ぐなど苦境を迎えている。とはいえ、古くからのファンに支えられている競技であることは間違いなく、地域差を調べてみると興味深いトレンドが見えてきた。
※2018年8月31日19:50追記:
「競輪空白県」を1府5県と記しておりましたが、正しくは4県です。お詫びして修正します。