しかし世の中、テレビを娯楽や息抜きとする人ばかりではない。で、言うのだが、彼女はなぜ娯楽番組を好んで見るような視聴者に受けたのか。

 民放の演出関係者が言う。

「細木さんは出演中、ここがおいしいところだと瞬間的に分かる。自分がアップで映るシーンが来ると、確実にインパクトがあることをしゃべります。本能的に話や態度、表情にメリハリをつける。こういうことは明石家さんまなど一流タレントにしかできない。細木さんは自分のトークが視聴者の印象に強く残るような自己演出が、非常に上手です」

ADVERTISEMENT

 だが、この程度の技術論では、彼女の高視聴率の理由づけにはなるまい。テレビ番組に限らず細木の占い本も非常なベストセラーである。

ギネス級のベストセラー作家の顔

 細木数子『六星占術』シリーズ平成19年版(KKベストセラーズ刊)のカバーによれば、これまでの著作は累計6500万部を超え、占い本の販売部数世界一として、ギネスブックに連続掲載されているという(平成20年版のカバーによれば「平成18年版1000万部超! 平成19年版900万部超!」とあり、下向気味らしい)。

 KKベストセラーズの社員が同社の内情を明かす。

「うちの書籍に関しては98~99%が細木関連です。会社全体の売り上げでいうなら雑誌もあるから3~4割ぐらいじゃないか。現在の社屋(豊島区南大塚)も細木さんの本のおかげで建ったことから“細木御殿”と揶揄されるほどです」

 細木数子には一部の視聴者や読者を惹付ける強力な吸引力がある。たとえば彼女の高飛車で断定的な物言いには小泉純一郎元首相の「一言居士」に通じる「耳に入りやすさ」と説得性があるのかもしれない。その物言いは、どこから来たのか。

 ふつう「苦み走ったいい男」とは言っても「苦み走ったいい女」とは言わない。だが、細木数子の目にはそう形容したくなるような凄味が漂う一瞬がある。

「極妻」の凄味と言うべきか、ぎょろっと目を据えての決めつけ口調はかなりの迫力である。長くヤクザと交際し、内縁関係も続けたキャリアによって染みついたものだろう。