大事なのは「プランニング」と「ちゃんと挑戦すること」

――澤田さんの逆転人生に、「地頭がよかっただけ」「環境に恵まれただけ」と思う人もいるかもしれません。そんな声には、どう返されますか?

澤田 地頭をどう定義するかは難しいですが、確かに医学部に入るには、ある程度の学力や、それを支えてくれる環境が必要だと思います。その点で僕はとても恵まれていた部分があったのは間違いありません。

 ただ、この記事のタイトルを見て読んでくださった方の多くは、きっと自分の中に何か引っかかるものがあって、ここまで読んで来てくださったのだと思います。僕と同じように片づけられない、放置したままの心の荷物があって、それをどうにかしたいと考えている。その時点で、現状を変えていく力はもう十分にその人の中にあるのではないかと思います。

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 大事なのはプランニングです。僕は地頭に恵まれたかもしれませんが、医学部に入ると決めてからは本気で努力しました。[効率×時間=仕事量]だとすると、効率は人それぞれです。今の自分に何ができて、何ができないか。自分の現在地を見定め、効率が低ければ、適切な期間を掛け、仕事量が足りるまで積み上げていけばいい。

 僕は比較的集中力があり、幸い1年で合格できました。ただ、その一方で、自分の中では2年で一通りの勉強をして3年をひとつの区切りにしようと決めていました。もし3年取り組んでも結果が出なければ、その時は別の道も真剣に考えよう、と。大切なのはちゃんと挑戦することで、ちゃんと挑戦するから、ちゃんと諦められるのだと思います。そして、納得して次に進むこともできるのではないでしょうか。

両親への思いと今後の目標

――挑戦するまで見守ってくれたご両親も素晴らしいですね。

澤田 自分が医師にならなかったことで悲しい思いをさせているんじゃないかという後悔や、母の手術の際、自分が医師じゃないがゆえに、母を安心させてあげられなかった悔しさとか。気づけば、医師になった動機は全て親に繋がっています。まあ、父は思ったほど医師になったことを喜んでくれませんでしたけど(笑)。それでも最近は、実は喜んでるのかなと感じることもあります。

現在の澤田さん

――澤田さんならではの人生訓をありがとうございました。最後に、澤田さんの今後の目標をお聞かせください。

澤田 これまで多くの人に支えられ、ここまで来ることができたので、目の前の患者さん一人ひとりと真摯に向き合い、安心や笑顔につながる医療を届けていきたいと思っています。同時に、研究にも力を入れて論文発表を重ね、自分の仕事が世界の人々の幸せに少しでも貢献できるよう、今後の医師人生をかけて頑張っていきたいと思います。まあ、昔は尖っていた時期もありましたが、その頃に身についた負けん気を、これからもいい方向に使っていけたらと思っています。

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