ヤクザの桑原と建設コンサルタント二宮の「疫病神コンビ」が、自分たちを騙した詐欺師を追ってなんと北朝鮮へ――。黒川博行さんの傑作長編『国境』がついに映画化される。
メガホンを取るのは、映画『パッチギ!』などで知られる井筒和幸監督で、実に8年ぶりの新作。ヤバすぎる“国境破り”バディを演じるのは、本作で6度目の共演となる伊藤英明と染谷将太だ。
このたび映画『国境』オール関西“撮影中”記者会見がおこなわれ、ダブル主演の二人に加え、井筒監督、原作者の黒川さんらが登壇した。
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「今の時代を反映した娯楽映画」
冒頭、井筒監督が、世界情勢を絡めながら口火を切った。
井筒監督 奇しくも今、世界の親分たちがね、我欲によって、あちこちでシマの取り合いをやってる最中です。この映画でも主演の二人がそうした状況を揶揄する場面があって、ああ、今の時代を反映しているなと感じながら、面白い娯楽映画を目指して頑張ってます。最近は辛気くさい映画ばかりで、純粋な娯楽映画がなかなかないからね。
伊藤英明 とにかく現場が楽しくて仕方ないんですよ。井筒作品ってアドリブの多い印象を持っていましたが、実際に参加してみると、その自然な空気感がいかに繊細に作られたものかがわかりました。とにかく監督の熱意がすごくて、演技指導から画作りまでじつに丁寧。この歳になって改めて映画の奥深さに気づかされています。染谷くんとともに、充実した毎日を過ごさせていただいてると感じています。
染谷将太 私も本当に同じ気持ちです。井筒監督の作品は学生の頃から大好きで、まさか自分が出演できるとは思ってもいなかったんですが、現場は熱量が高く、日々みんなで戦っているような毎日で、刺激的です。改めて、映画を作るってこんなに楽しいことなんだって噛みしめていますね。
原作者である黒川さんは、淡路島での撮影を見学したという。
黒川博行 小説はひとりで書くでしょ? 撮影を見に行くと、とにかく関わっている人の数が多くて、映画作りとは、これほど多くの人が携わるのかと感心しました。そして、みなさんおっしゃるように、井筒監督の情熱はすごいですね。細かい演技指導をされて、シーンごとに粘りがある。井筒さんってこんなに一生懸命映画を作る人なんやなと驚きました。
「伝説の『悪名』シリーズに追いつくものを」
井筒監督 黒川先生がこの疫病神コンビを書かれた動機の一つに、1960年代の大映京都の『悪名』シリーズ(田中徳三監督)があったと聞いています。私も、勝新太郎さんと田宮二郎さんの絶妙な掛け合いをかろうじて見た世代ですから、原作を読んだ瞬間、すぐに『悪名』を想起しました。まあ、巨匠たちが作った大映の『悪名』をね、抜くなんていうことはなかなかできないけれども、追いつくようなものを、日本映画として作れたらいいなと思っています。
伊藤英明 考え方も育ちもまったく違う主人公たち二人が、一つの目的のためにバディを組んで国境を越えていく。そこに作品の面白さがあるし、井筒監督のエッセンスが加わることで、さらに特別なものになるんじゃないかと思っています。こんなにも早く出来上がりを見たいって思う作品はないですね。
黒川博行 正直、映画化が実現するとは考えておりませんでした。『国境』は舞台のスケールが大きく、政治的背景もめんどうなところがあるし、予算的にもしんどい。「疫病神シリーズ」はいくつかドラマや映画になっていますが、『国境』だけはもう絶対に無理やと思ってたんです。だから、実際に撮影が始まり、ロケ現場を訪れて、本当にすごいし、うれしいなと。この映画が完成し、自分の目で見られることが、今は楽しみで仕方ありません。
撮影真っ只中という異例のタイミングで行われた今回の会見。登壇者たちの言葉の端々から、現場の圧倒的な熱量と、作品への絶対的な自信が伝わってきた。映像化不可能と言われた物語が、最高のキャストとスタッフによってどんな「ぶっ飛んだ映画」になるのか。来年の公開が今から待ちきれない。
映画『国境』は、現在オール関西“撮影中”。2027年公開予定。
映画『国境』
原作:黒川博行『国境』(文春文庫)
監督:井筒和幸
脚本:吉田康弘
企画:紀伊宗之
プロデューサー:村岡伸一郎
製作・配給:K2 Pictures
公式サイト:https://k2pic.com/film/border/
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