「kintone」「サイボウズOffice」など、チームワークを支援するためのグループウェア(情報共有システム)の開発や運営に携わる企業・サイボウズ。代表取締役社長の青野慶久氏が、自らの「人生最大の失敗」経験を振り返った。

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「俺は運がいい」から「消えたい」に

 2005年に社長に就任してからの約2年間は、まさに失敗の連続でした。当時は同じIT系企業の楽天やライブドアが企業買収で大きく成長していた頃で、「このままではいけない」という焦りがありました。そこで社長就任から約1年半の間に9社を買収したのです。我々はグループウェア専門の会社ですが、買収した9社はほとんどが本業とは関係のない企業でした。グループウェア市場が飽和し、事業の伸びにも陰りが見え始めていたため、有望に見えるものにはとりあえず手を出してみよう、と。上場で調達した10億円のキャッシュも、すべてM&Aにつぎ込みました。

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青野慶久氏

 この時の私は、自分にかなり自信を持っていました。1997年、26歳で当時勤めていた松下電工の同僚2人と起業し、3年で上場。売上は伸び続けていたし、「俺は運がいい」と本気で思っていた。実際、M&Aで売上は約4倍に伸び、会社の規模も大きくなりました。

 ところが、買収した企業の業績は思ったほど伸びなかった。子会社の業績悪化が重なり、1年間に二度も下方修正を出すことになります。

 さらに辛かったのは、仲間がどんどん減っていったことです。2005年の離職率は、28%に達し、83人いた正社員のうち23人が、私が社長に就任して1年以内に会社を離れていきました。“トドメ”になったのは、共同創業者からの取締役退任の申し出でした。

 業績は悪い。10億円のキャッシュも使い果たした。自信のあった組織マネジメントもままならず、部下は自分から離れていく。さらに、苦楽を共にしてきた仲間からも見放された……まさにどん底でした。

 役員に「もう社長を辞めたい」と泣きついたこともありましたが、辞めさせてもらうこともできなかった。もちろん「社長! 辞めないでください!」という感動的な引き留めではありません。「こんなぐちゃぐちゃな状態で離れるんですか」という、厳しい反応でした。

「逃げたい」「消えたい」という思いが募り、もう死んでしまいたいとすら思ったこともありました。

※約1700字の全文では、青野氏の支えとなった「ある言葉」や、再起の道のりについて詳細に語られています。全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年5月号に掲載されています(青野慶久「4人に1人が会社を去った」)。

文藝春秋

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4人に1人が会社を去った

出典元

文藝春秋

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