――中村さんご自身の言葉で綴られた連載を拝読していると、働きながら育児に奮闘されているお母さんですから、「そりゃあ、たくましくもなるはずだ」と納得する場面が多かったです。
中村 本当ですか! そう言っていただけると、書いた甲斐がありました。今回の本は『STORY』で2021年から連載していた、夫の不思議な行動を綴ったエッセイをまとめたものですが、実は別の媒体では、真面目な育児の話を、テイストを変えて書き分けていたんです。連載を続け、こうして出版に至ったのも、夫や子どもたちが常にネタを提供してくれたおかげ。本当に感謝しています。
仲の良い友人がアナウンサー試験を受けると聞いて、「じゃあ、私も」と
――では、少し遡ってお話を伺わせてください。大学時代は、特にアナウンサーを目指していらしたわけではなかったそうですね。
中村 そうなんです。住居学を学ぶためにお茶の水女子大学に入ったのですが、4年生で研究室に所属するタイミングで、行きたかった研究室がなくなってしまい、目標を失ってしまって。当時は就職もあまり深く考えておらず、いろいろなアルバイトを経験しました。
通産省(当時)で事務のバイトをしていた時は、コーヒーメーカーの使い方が分からず、コーヒーを吹き出してしまったこともあります。職場の方に「ちょっと、中村さ~ん!」と叱られるというか、呆れられるというか。事務の仕事は自分には難しいかもしれないと感じていました。そんな時、仲の良い友人がアナウンサー試験を受けると聞いて、「じゃあ、私も」と。ちょうどテレビで流れていたアナウンスセミナーのCMを見て、軽い気持ちで足を運んだのが始まりでした。
――そのお友だちはアナウンサーに?
中村 だめでした。
――付き添いで行ったオーディションに自分が受かってしまうという、芸能界でよく耳にするエピソードですね。
中村 でも、彼女は他に受けた会社はほとんど合格。まるでゲームのように、内定をとっていく優秀な子でした。

