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兄夫婦を殺し母を弔おうとしたが⋯
地元の中学を卒業後、高校受験に失敗。無線電気学校に1年間通った1940年3月、現役志願兵として広島通信隊に入隊する。家の空気に耐えられなかったのが大きな理由だが、入隊5ヶ月後、「ハハキトク」の電報を受け、急いで帰宅する。
が、母の症状はほどなく改善。大橋は兄嫁の虐待を疑いつつも軍籍にある身。後ろ髪をひかれる思いで帰隊したところ、3ヶ月後の同年11月、今度は本当に母が亡くなってしまう。
通知を受けた大橋は、改めて虐待によるものと思い込み、この際、兄夫婦を殺し母を弔おうと決意を固め帰省するが、死因は心臓麻痺だという。にわかには信じがたいものの証拠はなく、伯父になだめられたこともあり実行を思い留まった。
◆◆◆
「お母さんの最期は苦しんでね。寝ていた布団からはみ出して、こう、のけぞって喉をかきむしって……」
男は兄夫婦との確執を水に流そうと思った。しかし夕食中に兄嫁が、母が死んだ際の様子を語ったことで思いは一変する⋯⋯。
