優秀なコメディアンの素晴らしい芝居を見せたい

リム 2人が出演依頼を引き受けてくれたのはすごいですね。

『旅立ちのラストダンス』

チャン 実際には、2人にそんなに簡単に出演依頼できたわけではありません。

 自分がコメディ映画出身なので、喜劇俳優の考え方はよくわかります。彼らは観客を十分に笑わせるために、本来持っているシリアスな演技の才能をあえて見せてこなかった部分があります。僕は、優秀なコメディアンが真面目なドラマでも素晴らしい芝居を見せることができると観客に証明したいと思い、この脚本を書きました。2人はその点に共感してくれたのではないかと思います。

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リム 2人は脚本を読んで、どんな感想を持ちましたか?

チャン 実は2人とも脚本をかなり気に入ってくれました。変更やリクエストはほとんどありませんでした。

 最初、マイケル・ホイは脚本に書かれているキャラクターが本人とかなり違うと言っていました。僕はまさに観客が持っている既存のイメージを打ち破りたかったので、このキャラクターを書いたのだと伝えました。

アンセルム・チャン監督

 ダヨ・ウォンの場合は、まずなぜこのテーマの映画を撮りたいのかと聞かれました。彼とは死生観や人生について、かなり深く語り合いました。

 基本的に2人とも非常に前向きに出演を考えてくれました。コメディアンにとって、意味のある真面目な役に挑戦する機会は、大きな魅力なのだと思います。

牧師に相談したチュー・パクホン

リム 兄妹を演じたチュー・パクホンとミシェル・ワイも素晴らしかったです。まずチュー・パクホンについて教えてください。

チャン チュー・パクホンは舞台劇の俳優としてとても有名です。僕は長編デビュー作以来、彼に出演を依頼してきましたが、そのたびに新しい可能性に気づかされてきました。今回は彼に当て書きして、このキャラクターを書きました。

『旅立ちのラストダンス』

 彼はキリスト教徒で、今回は道教の道士を演じることになります。そのため、この役を引き受けるかどうか、かなり悩んだそうです。牧師に相談したほどでした。

 しばらく彼の返答を待つことになりましたが、最終的にはこのキャラクターを演じることを決めてくれました。そして真剣に「破地獄」の儀式の訓練を始めました。撮影現場でも、本物の道士と思われるほど自然に馴染んでいて、大きな成果だったと思います。