「カープのユニフォーム」と聞いて、真っ先に思い浮かべるデザインは何だろうか。

 そんなことを考えたのは、9月11日から中国・四国地方限定で発売されるサントリー烏龍茶「菊池ボトル」第2弾のCM動画を見たからである(動画はサントリー公式サイトで視聴できる)。

菊池が試着した中で低評価だったユニフォーム

『オールドユニフォーム ロング』篇では、菊池涼介がカープの歴代ユニフォームを次々と試着して新井貴浩がそれを評する流れになっている。用意されているのは1977~88年、1989~95年、1996~2001年、2002~08年モデルの4種類。ここで最も評価が低かったのが、胸に大きなCマークの付いたシンシナティ・レッズ風の1989~95年モデルであった。試着した菊池は「これなんかアレやな」と呟き、評する新井も「ビミョー」「ビミョー」を連呼。結局、菊池や新井が歴代ユニフォームを着たイラストをあしらった烏龍茶の限定ラベルにも、1989~95年モデルのみ含まれないようなのだ。

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 これを見て少し悲しくなった。というのも、私がカープファンになったのが1990年。まさにこのCマークユニフォームの時代であり、私が真っ先に思い浮かべるカープのユニフォームだったからだ。6度目のリーグ優勝を果たして山本浩二監督が胴上げされたのもこのユニフォームだし(1991年)、北別府学の200勝だって(1992年)野村謙二郎のトリプルスリーだって(1995年)胸に大きなCマークを付けて達成されたものだ。ちなみにこのユニフォームは2010年に「GREAT CENTRAL 2010」(セ・リーグ各球団が往年のユニフォームを着用するイベント)で復刻されたのだが、8対22で大敗した試合(8月25日・対阪神戦)などがあったためにイメージが悪くなったという向きもある。

 逆に菊池と新井が絶賛したのが1977~88年モデル。「これはイイっす」「カッコいい」とベタ褒めし、新井は「昔の強かった時のカープのユニフォーム」と評した。確かにこのユニフォームは12年間とカープ球団史上最も長く着用されたモデルであり、その間にリーグ優勝4度、うち3度は日本一にも輝くという「黄金期」を象徴するものであった。逆に赤い縦縞の2002~08年モデルは、新井自身が「あんまり強くなかった時なんで、結構苦い経験がありますね」「強そうに見えない」とCM内で語っている。

歴代ユニフォームの勝率を比較すると…

 果たしてその「強いユニフォーム」「弱いユニフォーム」というのは事実に即しているのか、或いはイメージによる単なる思い込みなのか。Cマークユニの名誉を取り戻すためにも、各ユニフォーム着用時のカープの勝率を調べてみることにした(データは日本野球機構ホームページを参考にした)。

 上記4モデルの他に1973~76年の初優勝時モデル、2009年からの現行モデルも含め6種類、ホーム用とビジター用を分けて計12種類を比較する。また、復刻ユニフォームで行われた試合の勝敗についてはそれぞれの元のユニフォームの勝率に組み入れている。対象とする試合はペナントレース・CS・日本シリーズとし、オープン戦は含めない。また現行モデルは2018年9月2日までの勝敗で計算するものとする。

 このように調べてみた結果、1位は1977~88年モデル(ホーム用)で勝率.588(430勝301敗68分)、2位は現行モデル(ホーム用)で勝率.554(365勝294敗18分)、3位が1989~95年モデル(ホーム用)で勝率.548(252勝208敗6分)となった。「ビミョー」と言われたCマークユニであるが、黄金期モデル、現行モデルに次いで高い勝率を挙げているのだ。ちなみに新井が「強そうに見えない」と言った2002~08年モデルは、ホーム用・ビジター用を合わせた勝率が.451(439勝534敗22分)。比較した6モデルの中では最も低くなっている。やはりある程度イメージは実態に即しているのだった。

各ユニフォームの勝率比較 ©オギリマサホ

 限定ユニフォームについてはどうだろうか。昨シーズン西武が採用した「炎獅子ユニフォーム」のように、着用した試合で高い勝率を挙げて「縁起が良い」と言われる限定ユニフォームがしばしば誕生する。一方カープは限定ユニフォームを着用する試合が他球団に比べて少ないので何とも言えないのだが、着用時に無敗であった2015年の常昇魂ユニ(赤地に白ストライプ/2勝0敗)、2016年の真赤激ユニ(赤地に緑のロゴ/3勝0敗)を「縁起の良いユニフォーム」に認定しておきたい。