28億円は行方不明…内田マイクの処遇は?

 これまで地面師事件などでもしばしば見られたように、犯行グループは地上げ資金と称して反社会勢力の怪しい金をタネ銭にして活動を始める。なりすまし詐欺で儲けた資金を組関係者に倍返しするのが、相場だとされている。

 横領犯である南証券の元社長は事件後沖縄に逃げ、3年の逃亡生活を経て警視庁捜査二課に逮捕された。東京地検は2003年11月、元社長をはじめ、同社の重役と証券金融業のコンサルタント、3人を起訴する。

写真はイメージ ©a_text/イメージマート

 彼らが横領した資金の一部が暴力団筋に流れているのではないか。

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 捜査当局はそう睨んだ。先の不動産ブローカーが言葉を補う。

「このとき浪川会を元社長に紹介していたのが稲川会系二次団体の会長でした。それでいっときは、会長も警視庁のターゲットになっていました。あろうことか高橋マイクこと内田マイクはこの事件の渦中に組の金に手を付けたといわれています。赤坂プリンスホテルのクロークに預けておいたバッグを持ち出し、逃亡したといわれた。バッグの中身が証券だったのか、現金だったのかについてはわかりませんが」

 もっとも事件は藪の中だ。暴力団関係者は起訴されず、横領した28億円の大半は行方が知れないまま、元社長ら3人に判決が下る。2004年9月28日付の新聞各紙が〈南証券元社長 懲役11年 巨額横領判決〉(読売新聞夕刊)と短いベタ記事を掲載している。

〈南証券(前橋市、破産)を巡る有価証券の巨額横領事件で、業務上横領、詐欺罪に問われた元社長平田浩一被告(38)の判決が28日、東京地裁であった。

 松田俊哉裁判長は「業務上横領は、乱脈経営のあげく自己の利益を最優先しており、強い非難に値する。詐欺も常習性が顕著だ」と述べ、懲役11年(求刑・懲役13年)を言い渡した〉

 共犯に問われた残る2人のうち、証券金融業の経営コンサルタントには懲役4年半の実刑判決が下っているが、同社の元役員は詐欺罪が適用されず懲役3年で済んでいる。

 そして、反社会勢力および内田マイクには捜査がおよんでいない。むしろ内田はこの事件によって自信を深めたのかもしれない。

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