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ニコッと笑った今江の優しさ

 周囲は笑いに包まれていたが、本人は、ミスはミスと反省モード。過去のハプニングではライオンズ戦でのピッチャー交代で小石博孝投手のところを大石達也投手とコールをしたことはあったが、これは審判の伝達ミスによるもの。「こんなこと、今までに経験をしたことがないです。今江さんに申し訳ないです……」と反省しきりだった。

「今江さんはデビューの時からずっとアナウンスをしてきました。本当に好青年という印象で礼儀正しくていつも明るく挨拶をしてくれていました。マリーンズを離れると決まった時はやはり寂しかったですね。久々に会って、自然と当時の事を思い出してしまってそのまま脳裏に残ってしまっていたのかもしれません。でもプロとしてはそれではいけない。もう一度、しっかりと気持ちを入れ直して集中をして頑張ります。ただ、今江さんがニコッと笑ってくれたのは救いでした」

 廊下での偶然の再会が思わぬハプニングにまで発展した。28年目の鉄人アナウンス担当も人間。そして懐かしそうにニコッと笑って打席に向かってくれた今江の優しさ。いろいろな事が起きるプロ野球のスタジアム。グラウンド周辺のちょっとしたことからも人間味を感じることがあるのもプロ野球の魅力の一つだと感じる。

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梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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