料理男子としても本格派の男
2人目は、2年目サイドスローのサウスポー・高梨雄平選手。今シーズンはここまでチームトップの63試合に登板し、防御率2.11と素晴らしい成績を残している。
河内「ルーキーイヤーの昨年と明らかに違うところはありますか?」
高梨選手「去年はその日の試合と移動とでいっぱいいっぱいだったのですが、今年5月ぐらいからランニング部というのを結成して、基礎体力をつけるための練習を継続して出来ている事が違いですね」
河内「後半戦の自分を分析するなら?」
高梨選手「疲れないという事は絶対ないので、その疲れがある中でどうやって投げるのか? という事を、去年の経験を踏まえて考え、後半戦に生かせているのではないかと思っています」
また、「料理好き」という知られざる一面もある高梨選手。自炊や料理をすることがストレス発散にも繋がるとラジオのインタビューで教えてくれた。それ以来、料理コーナーはシリーズ化しつつある。
河内「最近は何か作りましたか?」
高梨選手「今朝作りました。今日は胸肉のマリネで冷凍したものをチキンサラダにしたのと、出汁で作った卵焼きと、ミョウガを食べてきました。鶏の胸肉でも豚肉でも牛肉でも生姜焼きとかビーフストロガノフ的な味付けをして冷凍しています」
試合がある日でも、自らの料理で栄養を摂ってスタジアムに来る高梨選手は料理男子としても本格派である。
後関スカウトへの恩返し
そんな探求心の深い高梨選手の忘れられない1つのインタビューがある。それは「プロの世界に導いてくれたのは(担当スカウトの)後関さんの、おかげです」と話してくれたことだ。
そしてこう続いた。「きちんとした結果も残せてなかった自分をドラフト9位という順位で指名してくれました。後関さんがいなければ今の楽天イーグルスの自分はいないですね、だから恩返しがしたいです!」その言葉が耳に焼き付いている。
そんな高梨選手は8月21日のオリックス戦で登板。7回表6ー5の1点リードではあるが、2アウト3塁、同点のランナーを許した場面で先発・則本昂大選手に替わってマウンドへ上がった。バッターは4番・吉田正尚選手という正にチームにとしては、ピンチの場面を見事3球で三振に仕留めリードを守った!
この三振こそがチームの勝利と則本選手の白星を導いた三振だったと言っても過言ではない。そして貴重な左投げのサイドスローとしてプロ野球界で才能を開花させた高梨選手を見出した、後関昌彦スカウトに恩返し出来た瞬間なのではないかと感じた。
先週のインタビューで高梨選手は「野球が出来る喜びをヒシヒシと感じながらプレー出来ているのは、ファンの皆さんの声援のおかげです」と話してくれた。
お世話になった方への感謝の気持ち、そして楽天イーグルスを熱く応援してくれるファンの皆さんのために、選手は最後の最後まで絶対に諦めず戦ってくれるに違いない。
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