文字通り、“神”をも恐れぬ男が捕まった。

 被害者の1人であるA子さん(当時28)は芸能関係者だった。コロナ禍で仕事が減ってしまったことについて悩んでいて、そんなときに知り合ったのが知人のB子さん(当時36)の夫だった。仮想通貨の勉強会でたまたま知り合ったのだ。

「神事をしているすごい先生がいるんだ。妻もお世話になっているし、自分も神社ツアーに行って、先生の力で人生が好転したんだ」

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「どんな先生なの?」

「動波神術を操る神生先生だよ」

 それこそが卑劣な強姦魔である大野勝彦被告(当時65)の別名だった。

大野勝彦被告(FNNプライムオンラインより)

「神生先生は本物だ」と聞き紹介を頼んだ

 B子さんの夫は、大野被告を紹介してもらったという男性美容師をA子さんに紹介。「うちの店には何人も霊能者が出入りしているが、神生先生は本物だ」という話を聞き、A子さんは「自分もぜひ会ってみたい」と紹介を頼んだ。

 2022年11月27日、A子さんはB子さんの夫に付き添ってもらい、東京都千代田区にある高級ホテルのレストランで大野被告に会うことになった。

「初めまして。神生です。あなたのことはテレビで見て知っていますよ」

 大野被告は何の変哲もない老人に見えたが、A子さんは運に左右される芸能界で生きる不安などについて話した。

現場となったホテル (筆者撮影)

「運に強い影響を与えるのは子宮にたまるエネルギーなんだ。あなたの子宮のオーラは黒く見える。悪い男のエネルギーを受けている。これを取り除いて、良いエネルギーを入れなければならない。悪いエネルギーを取り除くだけなら普通の霊能者でもできるが、良いエネルギーを入れることができるのは私だけだ」

 その日は3万円払ってお祓いをしてもらった。大野被告が面倒を見ていたというロックグループのメンバーや大野被告の指導を受けて飛躍したという有名バイオリニストの話を聞いて、大野被告の信者になることを誓うと、金銭のやり取りが免除された。こうしてA子さんと大野被告の主従関係が始まった。