「いい大学に入るなら、いい中学に入るのが一番手っ取り早い」
そう信じる親子によって、中学受験はますます苛烈さを増しています。
東大入学者のうち中高一貫校の出身者は60%近く、今年の推薦入試合格者では83.1%を中高一貫校の出身者が占めています。その“東大へのプラチナチケット”を求めて、小学生たちは朝から晩まで勉強を続け、親たちは約300万円と言われる塾費用を払うのです。
しかし中学受験に成功しても、必ずしも大学受験の成功を約束するわけではありません。トップ中学に入りながら成績が低迷してしまう子どもたちは時に「深海魚」という不名誉なあだ名で呼ばれることもあるそう。
米田晴喜さん(仮名)は、中学受験の超名門校である御三家(開成・麻布・武蔵)に入学、かつては同級生と同じく東大を目指すも受験に失敗し、今では日東駒専クラスの大学に通う日々。「深海魚」のホンネに迫ります。
「御三家に通っていた」ということ自体が足を引っ張る
――大学生活のホンネをお聞かせください。
米田 やっぱり、「ちょっと自分がズレているのかな」と日々感じてしまうことはありますね。中学や高校の時とは周りのレベル感が違いますから、日常会話でも共通の話題がないんです。仲良くなろうにも、「御三家からニッコマ」なんてなかなか言えないじゃないですか。どうしても距離感がつかめない。「気難しそう」とか思われたりしても嫌ですし……。進学校に通っていた私の過去それ自体が、今では私の足を引っ張っています。
――「レベルの違い」というと、やはり勉強の面で?
米田 それはもちろんあります。同じ経済学の授業を受けても、私は「ここで微積を使うのか」「こんな理論があるのか」と難しさを感じるのですが、同級生はそもそも微分や積分それ自体がわかってないんです。一応、私もそれなりにはできますから、教えることもありますが、正直「こんなこともできないのか……」とたまに空しくなりますね。
