長野西高等学校教諭の村松寛太氏は、北海道大学大学院の修士課程に在籍していた2023年当時、北限域のニホンウナギ(Anguilla japonica)がどのような河川にいるのかの調査を行った。その体験を語る。

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 ニホンウナギの生息北限とされる北海道南部で105の河川を調査し、52河川で222匹ものウナギを確認できた。過去100年で道内での生息報告は10件ほど。ごく一部で生息が確認されてはいたが、これほど広範囲でウナギが棲み着いていることが判明したのは初めてだ。

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 当初は北海道にウナギが本当に生息しているのかどうか半信半疑だったが、昨年12月、調査結果をまとめた論文が「米科学アカデミー紀要ネクサス」に掲載された。

北海道のニホンウナギ(筆者提供)

 実のところ、私はウナギの専門家ではない。北海道大学大学院の修士課程に進学し、サンショウウオを研究していた。2023年にヒグマによる釣り人の死亡事故が起きた朱鞠内湖(しゅまりないこ)の周辺でフィールドワークを続けていた。あいにく芳しい成果が上がらなかったところ、研究室の岸田治教授から「ウナギを調べてみないか?」と誘われた。

 教授の専門も両生類であってウナギではない。両者の共通点は、ヌルヌルしていてカワイイところくらいか。きっかけは2020年に東京大学の研究チームが北海道で初めてシラスウナギを発見したこと。共同研究で大規模な生息調査を実施することになったのだ。

 でも、誰が? 教授が私の地を這うフィールドワーク能力を見込んで、白羽の矢を立てたようだ。