初対面から10分後に山田杏奈と組体操
──その組体操に襲われるシーンはとても迫力がありました。青木さんと一緒に組体操と戦った山田杏奈さんは、「青木さんとは戦友みたいだった」とおっしゃっていました。
青木 そうですね、同じ感覚だったと思います。撮影前に「はじめまして」とご挨拶して10分後くらいに、いきなり山田さんと組体操を組むことになったんですよ。初対面でお互いまだ緊張していたんですけど。
──いきなりですか?
青木 はい。優と愛がふたりで組体操をして巨大組体操に立ち向かうシーンがあるんですけど、どの形がいちばん見栄えがいいか、長時間耐えられるかを確認したいと言うことで、いきなり組体操を組むことになりました。
「サボテン」とか「扇」とかいろいろやってみたんですけど、どれもうまくいかなくて……。結局「肩車」でいくことになりました。もし「サボテン」がうまくできていたら、映画でも「サボテン」で戦うことになったので、「うまくできなくてよかった……」と、少し思いました(笑)。
ふたりとも組体操しながらの演技はしたことがなかった
──一瞬で結束が強まりそうですね。
青木 そうですね。ふたりとも、組体操しながら演技なんてしたことないので必死でした。ストーリー的にも、だんだんまわりが組体操に取り込まれ、優と愛ふたりだけが孤立していくという、心身共にすり減っていく現場でしたから、山田さんの存在はまさに“戦友”のようなものだったかもしれません。
──かなり特殊な現場だったんですね。
青木 正直、全部を理解できていたわけではないんです。でも現場には「これは絶対に面白くて可笑しい作品になる」という確信みたいな空気があって。だからもう、この空気に全力で乗っかるしかない、と覚悟して挑みました。
──共演の山田杏奈さん、ピエール瀧さんはいかがでしたか?
青木 山田さんは一瞬で感情の温度を上げる力がすごくて、その瞬発力に圧倒されました。複雑な家庭環境に育った愛を演じるのは苦しいものだったと想像しているのですが、一面的でない表現はとても勉強になりました。
ピエール瀧さんは、現場の空気を一瞬で変えてしまう唯一無二のオーラがありました。監督が「こういうふうにしたいんです」とリクエストを出されていたときも、柔軟に、破壊力のある表現をされていて。どうやっても真似できないな、と思いました。


