マスコミにも強い東大野球部
東大野球部はNHKから愛されているようだ。
もっとも有名なのが、大越健介(1985年)である。新潟県立新潟高校出身。東大では通算8勝を数えるほどのエースとなり、日米大学野球選手権大会の日本代表にまでなった。東大から初めての選出である。
NHKでは2010年から5年間、『ニュースウオッチ9』のキャスターをつとめており、お茶の間にすっかり浸透した。同番組でときおり、東大野球部出身自慢をする。今年4月から、『サンデースポーツ2020』に出演して、後輩、宮台康平の活躍に目を細めている。
NHK大阪放送局副局長、松江放送局長を歴任した國友充範(1982年)は、東大野球部がやたら強かったころ、左腕として活躍していた。滋賀県立虎姫高校出身。
1981年春のリーグ戦で、東大は慶應と早稲田から勝ち点をもぎ取り、法政にも1勝しており、この時点で5勝2敗という信じられないような好成績だった。次の立教大に勝てば優勝の目はあったが、惜敗する。最終的に6勝7敗で4位となるが、いまでも史上最強だったと言われている。このとき、國友は早稲田を完封しており、東大快進撃の一翼を担った。
現在は、NHK グローバルメディアサービスに勤務する。
NHK政治部記者で総理番を担当した成澤良(2004年)は、新潟県立新潟高校で大越健介の後輩にあたる。2009年、民主党政権交代直後の鳩山由紀夫総理に張り付いていた。そのときの様子をNHKのウェブサイトがこう伝えている。
「成澤記者が今も忘れられない事件が起きました。鳩山総理は会談を終え国会内のエレベーターに乗る直前、総理番の方を見ながらみずからの親指を立てるジェスチャーをしたのです。『親指、立てなかった?』、各社の総理番は口々にささやき合いましたが意味はまったく分からなかったそうです。その後、鳩山総理は、小沢幹事長らとの会談のなかで、みずからの辞意を伝えたうえで、小沢氏にも幹事長を辞めるよう求め了解を取り付けていたことが分かりました。親指は自分の意向が通ったことを示すものだったのです」(「政治マガジン」2016年11月1日)