だから、お金を使う機会がかなり減りましたね。神田に住んで、月に80万円前後稼いでいた頃と比べると、収入はかなり少なくなりました。それでも、貯金額は当時とあまり変わらないくらいです。
――娯楽施設が限られているとのことでしたが、生活に必要な施設も少なくて不便なのでは、と思う人もいそうです。
松岡 それが、あんまり困らないんですよね。21時には閉まるけれどスーパーはありますし、庭が広いから家庭菜園ができるし、海に囲まれているから魚を釣ることもできます。また、美容室やネイルサロン、ジムもあります。
ただ、病院に関してはちょっと不便かもしれません。島内には、町立の大きな病院が1つと、内科専門の病院が1つあって。それ以外の科については、島外から専門の先生が月に1回ほど巡回診療に来てくださるんです。
日常的な体調管理は問題ないんですけど、専門的な治療となると、巡回の枠もすぐ埋まってしまって。結局、治療のために本土まで出なければいけないことも多いんですよね。
しかも、今年4月からは、島内で出産ができなくなってしまったんです。人口減少にも直結する話なので、これからどうなるのか心配している人は多いですね。
島なのに魚の値段が東京よりも高い
――島の居酒屋は本土に比べて高い、という話題が何度か出てきました。他にも、物価の違いで驚いたことはありますか?
松岡 居酒屋以上に驚いたのが、魚の値段です。海に囲まれているのに、東京のスーパーで売っている魚よりも高いんですよ。漁師さんが島で採った魚の多くは、豊洲市場に出てしまうそうなんです。それに島の人口が少ないから、魚の消費量も少なくて。
――魚の値段が高いのは意外ですね。
松岡 あと、スーパーで売っている野菜も、本土から運ばれてくるものが多いから、高いんですよね。
このあいだ、長ネギ3本で700円ほどして、びっくりしました。ほかにも、苺は1パック1000円くらいするし、2Lのペットボトル入りのお茶は、300円くらいするんです。
――日々の食材はどうしているのですか?
松岡 基本的には自給自足です。魚が食べたいときは自分で釣るし、野菜は家庭菜園で30種類ほど作っています。鶏も飼っているから、新鮮な卵もとれるんですよ。
あとは、物々交換もよくします。たとえば多めに魚が釣れたら、ご近所さんにおすそ分けするんです。すると後日、「この間のお魚のお礼」と言って、庭で採れた野菜をおすそ分けしていただいたりして。
最初から交換するつもりで配っているわけではないのですが、自然とそういうやりとりが生まれています。

