2025年10月、立て続けに発生した強力な台風22号・23号により、大きな被害に遭った八丈島。2022年7月から八丈島で暮らす女流プロ雀士の松岡千晶さん(35)は、家屋の全壊や土砂崩れ、さらには1か月に及ぶ断水など、想像を絶する被害を目の当たりにすることとなったという。
台風直撃当時、八丈島はどのような状況に陥っていたのか――。出張先からSNSで知った島の惨状、全壊した自身の唐辛子工場、そして離島ゆえに直面する復旧の壁など、松岡さんに詳しく聞いた。(全5回の4回目/5回目に続く)
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台風が直撃した日のこと
――昨年10月、台風22号が八丈島に上陸し、大きな被害を受けました。そもそも八丈島は、台風がよく来る場所なのでしょうか。
松岡千晶さん(以下、松岡) よく台風が来る場所だと思います。ただ、海に囲まれているから普段から風は強くて、みんな強風には慣れているんです。
私も移住したばかりの頃は身構えて、庭にあるものをすべて片付けたり、窓を補強したりと対策していたのですが、周りには全然対策している人がいなくて。
それでも、これまで被害はほとんどなかったから、段々と「特別な準備をしなくても、大丈夫なもんなんだな」と思うようになっていきました。
――そんななか、大型の台風が島を襲った。
松岡 最初に台風の情報が入ったとき、みんな「またいつもの台風でしょ」って、それほど身構えていなかった気がします。でも実際には、準備しようがしまいが、どうにもならないくらいのすごい台風でした。
――台風が直撃した日のことを聞かせてください。
松岡 実は私、島の事業で島外に出ていたんです。事前に台風が来ることは聞いていましたが、特に準備をしないまま家を出てきてしまっていて。だから、庭にあるイス代わりのビールケースも、テーブルも、そのまま置きっぱなしでした。
――台風の状況はニュースで知ったのでしょうか?
松岡 そうです。ただ、離島だからなのか、どのチャンネルも同じような映像ばかりで、テレビからは詳しい状況をなかなか掴めませんでした。そこでXを見たら、島の人たちが「家が壊れた」「車がひっくり返った」と投稿していて……。
さらに途中から、島民のXの更新がことごとく止まったんです。SNSだけじゃなく、電話もつながらなくて。あとから、停電や電波障害が起きた影響だったと知ったのですが、そのときは最悪の事態を想像してしまい、震えが止まりませんでした。

