2025年10月、強力な台風22号・23号が直撃した八丈島。2022年7月から移住生活を送る女流プロ雀士の松岡千晶さん(35)は、家屋の全壊や土砂崩れ、1か月に及ぶ断水といった過酷な被害に直面した。
未曾有の災害に対し、島の人々はいかに支え合い、困難を乗り越えたのか。自衛隊による給水支援や断水生活の工夫、SNSを駆使した情報発信の裏側とは――。被災生活のリアルと、災害を経て深まった島民同士の絆について、松岡さんに詳しく聞いた。(全5回の5回目/1回目から読む)
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断水中は料理ができずトイレの水も節約する生活だった
――大型台風の影響により、1か月近く断水が続いたそうですね。水が出ないなか、どんな生活をしていたのでしょうか。
松岡千晶さん(以下、松岡) 飲み水は、自衛隊の方たちが運んできてくださったり、飛行機で届けてもらったりしていました。水が届くと「いまからお水を配ります」と役場から町内放送を流してくれるんです。
生活用水は、気がついたら島のあちこちに水汲み場ができていたので、自分たちの好きなタイミングで汲みにいく、という感じでしたね。
――限られた水を、どのように使っていたのですか。
松岡 飲み水は、1日に2L確保して、自分で飲んだり、ペットにあげたりもしていました。生活用水は、毎日6Lくらい汲んでいましたね。使い道はいろいろですが、トイレに使うためできるだけ節約していました。
――トイレで、大量に生活用水を使うのですか?
松岡 本来は1回のトイレで、6Lもの水が必要らしいんですよ。でも、1回のトイレで汲んできた水がほぼ無くなるなんて、悲しいじゃないですか。だから衛生的ではありませんが、3~4回トイレをしたら水を流す、という使い方をしていました。
――水が自由に使えない暮らしのなかで、ほかに大変だったことはありましたか?
松岡 洗い物ができないのが辛かったですね。食材を洗ったり、食器を洗ったりする水がないので、自分で料理することができなくて。レトルト中心の食事をとっていました。

