――松岡さんのご自宅は被害が少なかったとのことですが、島全体ではどうだったのでしょうか。
松岡 島全体を見ると、復旧している家のほうがまだまだ少ないんです。台風から数か月経った今でも、周りは屋根や壁が壊れたまま、ビニールシートを貼りっぱなしになっている家ばかり。
もともと、島の大工さんの数は限られているし、本土から物資が届くのにも時間がかかるから、復旧のペースがどうしても遅くなってしまうんですよ。
――松岡さんが唐辛子の加工場として借りている工場も、台風の影響を受けたと聞きました。
松岡 ほぼ全壊でした。台風22号が去った直後に、また次の大きな台風が来るという予報があって。周りの建物への二次被害を防ぐために、急いでがれきの撤去作業だけはしたのですが、今もほぼそのままです。
建て直しも考えたのですが、1億円はかかると聞いています。台風後は加工場を借りられず、新しい商品を作れない状態が続いているんです。
また、島唐辛子の畑も大きな被害を受けました。苗が寝そべっていたり、上から倒れてきた大木で枝が折れていたり、実をつけていた木が枯れていたり……。1本1本立て直す作業を続けたのですが、4割の島唐辛子は芽を出すことなく、ダメになってしまいました。
全島で断水、復旧まで1か月かかった地域も
――ライフラインへの影響はどうでしたか?
松岡 電柱が倒れた地域では、停電が起きていました。それから、電線や光ケーブルが損傷したことで、電話やインターネットが使えなくなってしまった人もいました。
――停電や電波障害は、どのくらいで回復したのでしょうか?
松岡 停電に関しては、台風から2週間経った頃には、島内全域で電気が使えるようになっていました。
電波障害が完全に直ったのがいつだったか、はっきりと覚えていないのですが、台風から数日後にはXで水や電気の復旧状況などを発信・確認できるようになっていたから、少しずつ連絡は取れるようになっていたと思います。
停電や電波障害以上に大変だったのが、断水でしたね。
――断水は、どのくらい続いたのでしょうか?
松岡 全島で断水したのですが、私の地域は復旧まで3週間ほどかかりました。遅いところだと、1か月は水道が使えない状況だったようです。水道が出ない生活が、こんなに大変なんだって、このとき初めて知りました。
写真提供=松岡千晶さん
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