映画『NEW GROUP』で、人間ピラミッドに襲われる女子高生・愛を演じた山田杏奈。「自分の力ではかなわない敵に追い詰められる役が多い」と語る。主人公の愛(I)と優(YOU)が“私とあなた”でもある本作。組体操が襲いかかるという異様な世界観にどう向き合ったのか。

山田杏奈 ©︎志水隆/文藝春秋

恐怖の表情を維持するのが大変でした(笑)

──ジャンルのカテゴライズが難しい作品ですが、台本を読んでどう思われましたか?

山田杏奈(以下、山田) 「組体操で攻撃」や、「○と△の対決」、「ポー」の意味など、台本を読むだけではわからないことだらけでしたが、想像できないからこそ現場に行ってみるしかないと思いました。下津(優太)監督がつくる面白そうな世界観に浸ってみたい、という想いも強くありました。

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©2026映画「NEW GROUP」製作委員会

 私はこれまでも、追い詰められて苦しむ役柄を演じることが多かったのですが、監督からは「役者が本気で怖がっているのを観て観客は怖がるんだよ」と言われました。ですから、撮影中はずっと恐怖の表情を維持するよう、心がけていました。

 でも、人間ピラミッドに襲われるシーンでは、監督が実際にはそこにはないピラミッドがある想定で「こっちから来たよ」「今度はこっちから」と、すごい熱量で指示出ししてくださるので、笑いがこみあげてきて、恐怖の表情を維持するのが大変でした(笑)。

©2026映画「NEW GROUP」製作委員会

──「組体操」というテーマについては、どのように思われましたか。

山田 突飛な世界観で、斬新だと思いました。小学生のときは組体操が好きだったんです。でも今思い返すと、苦しいことも多かったので、つらいのを楽しいと思う特殊な集団心理が働いていたのかもしれない、と思います。

 スタッフ・出演者みんなが一丸となって世界観をつくりあげていく過程も新鮮でした。共演した青木(柚)さんは、文字通り「戦友」という感じ。ご一緒するのははじめてでしたが、タイトなスケジュールで体力勝負の過酷な撮影現場という大変さを共有できる力強い存在でした。

©2026映画「NEW GROUP」製作委員会

 人間ピラミッドのシーンは、実際に日本体育大学の体操部のみなさんがギリギリの高さまでピラミッドを組んでくださいました。撮影が長引くとお顔が歪んでくるのが間近で見えるんです。「絶対にNGを出せない」と、真の恐怖を感じました。しかも何度も撮り直しをすると、切迫感が薄れ、緊張感が伝わらなくなってしまうので、毎日必死で撮影に向き合っていました。