漫画家・三田紀房さんがビッグコミックスピリッツで連載中の政治漫画『魔界の議場』(小学館)。15年間の引きこもり生活を送っていた青年が地方議会選挙に挑む物語だ。その第3巻の帯コメントを寄せたのが、チームみらい党首の安野貴博さん。
実は安野さんは、『ドラゴン桜』を読んで東大に合格したと話すほどの三田作品ファンだった。文藝春秋PLUSの「+BOOK TALK」で実現した二人の対談から、作品の魅力と選挙のリアルに迫る。(全2回の1回目)
(初出:「文藝春秋PLUS」2026年6月7日配信)
共感度MAXの稀有な漫画
――安野さんは『魔界の議場』をどのように読まれたのでしょうか。
安野貴博(以下、安野) めちゃくちゃ面白くて、一気に最新話まで読ませていただきました。主人公にすごくシンパシーを持ったんです。主人公は15年くらい引きこもっているところから突然選挙に出るわけですが、私も2024年の東京都知事選に出る前、1年くらい引きこもってひたすら小説を書いていたんですよね。まずそこに共感しました。
さらに主人公が最初、長髪にヒゲ面で登場するんですが、「僕だ」と思って。共感度がMAXのところから始まる稀有な漫画なんですよ。
三田紀房(以下、三田) 細かいところまで読んでいただいて本当に恐縮です。僕も好きなシーンなんですが、選挙の説明会で主人公がトイレに駆け込むところとか、ありますよね。「もう無理」みたいな。
安野 あの説明会のシーンは刺さりました。選挙の説明会って、実際に行政の方と初めて向き合う場なんです。他の立候補予定者もたくさんいて、独特の緊張感がある。私が都知事選に出た時は56人くらい立候補していて、有名なYouTuberの方とか有名な方々がずらっと揃っていて、「こんな感じなんだ」と思ったあの緊張感をまさに味わったので、すごくリアルだなと思いました。

