5月15日に公開されるやいなやSNSのタイムラインを席巻した映画「機動警察パトレイバー EZY」。8月14日には「FILE2」の公開を控え、6月25日には小説「『機動警察パトレイバー』寿司屋の後藤」も発売されるなど時を超えたパトレイバーブームが再燃しています。
今回は好評発売中の「週刊文春エンタ+ 特集『機動警察パトレイバー』」より、脚本・シリーズ構成を務めた伊藤和典さんのインタビューを特別公開いたします。
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――『機動警察パトレイバー』の多くでシリーズ構成と脚本を担当されています。シリーズ構成とはどういった作業でしょうか。
伊藤 『パトレイバー』の場合、基本は各話完結だったから、その並び順を考えるのが主な仕事でした。構成を考えるときは「シリーズをシリーズたらしめるためにはどうすべきか?」を考えなきゃいけないんです。押井(守)さんが担当した破壊的な話の後にはちょっと軽く楽しめる話を持ってくるとか、地味な話と派手な話を交互にするとか、バランスが取れる順番を意識していました。各話のライターとシリーズ構成は、各話演出と監督と似たような関係性なんですよね。でも、作品が練れてきて『NEW OVA』くらいになると、各話のライターから書きたいネタを募集することもありました。
「だって押井さんが好き放題やったあとナンカは抑えにまわるしかないじゃん(笑)」
――自分で脚本を書くときは他とのバランスを考えて、あえて抑えた雰囲気の内容にしたり?
伊藤 だって押井さんが好き放題やったあとナンカは抑えにまわるしかないじゃん(笑)。そのなかで「CLATよ永遠に」(TV版第44話)は、「もうそろそろオレも好きにやっていいんじゃね?」と思って書いた話だったりします。
――ご自身でお好きな話は?
伊藤 「CLATよ永遠に」と、「VS(バーサス)」(NEW OVA第9話)、あと「二人の軽井沢」(NEW OVA第12話)かな。両方とも自分でやりたかったんですけど担当のローテーション的に合わず、「二人の軽井沢」は有栖(ひばり)さんに出して、「VS」は横手(美智子)さんに出したんですよ。それで「これ、ザックザクに手ぇ入れていい?」っていちおうお断りを入れてから改稿しました。後で横手が「『VS』おもしろいね!って人に言われるけど、あれは私のじゃないからちっともうれしくない」と言っていました(笑)。シリーズ構成として、全話になにかしら手を入れてはいるんですけど、ほんとにザックザクにいじった場合は連名にしてもらっています。
――発売中の後藤隊長の30年後を描いた『寿司屋の後藤』でも「二人の~」やそれらをオマージュしたお話がありますよね。脚本に手を入れるとは具体的に?
伊藤 そうそう、けっこう遊んでいますよ。「手を入れる」というのは、キャラクターの整合性を保つというか。「このキャラクターならこういうリアクションをするだろう」とか、そういった部分です。太田やひろみちゃん、進士などはわりとわかりやすい狭い範囲でキャラ立てしているからいいんですけど、遊馬や野明は発言や行動に幅がありすぎて、それをどこまで許容するのか判断する必要があるんです。

