「もう悔しさしかないです」

 4年前のカタールW杯、クロアチア戦にPK戦で負けた後、久保建英(25)は、力が抜けたような表情でそう言った。

久保建英 ©JMPA

前回のカタールW杯で久保が味わった悔しさ

 悔しさ――。

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 それは、いろんな要素をごった煮にしたような複雑なものだった。日本代表がチームとして歴史を作れずに終わったこと。流れのなかでの勝敗ではなく、PKで敗れてしまったこと。そして、初めてのW杯で、ドイツ戦とスペイン戦でスタメン出場できたが、いずれも前半だけのプレーで交代したこと。

 とりわけ、スペイン戦での途中交代は、よほど悔しかったらしく、「コンディションが良かったので、このままやってやろうと思ったら交代だったので、悔しかったです。次は前半で交代させられないようにチャンスがあったら結果を残していきたいと思います」と、唇を嚙みしめた。

 2戦目のコスタリカ戦では出番なく、決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦はスペイン戦後に体調不良になり、ベンチ外になった。結局、そのまま久保はゴールという部分で結果を出すこともできず、初めてのW杯は不完全燃焼のままで終わった。

カタールW杯時の久保建英 ©JMPA

「日本の至宝」と称されたサッカーの天才

 久保は、早くから天才肌の選手として有名だった。

 バルセロナの下部組織に10歳の時に所属し、高い技術と戦術眼で攻撃を活性化する力は、国内外で評価され、「日本の至宝」と言われた。2017年、16歳の時にFC東京とプロ契約を結び、19年6月にはレアル・マドリーに完全移籍。その後はマジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェなどでプレーした。だが、思うような結果を出せなかった。

FC東京時代の久保建英 ©文藝春秋

 2022年7月にレアル・ソシエダに完全移籍を果たした。その2022‐2023シーズンは35試合で9得点を挙げ、個人としてキャリアハイの成績を残した。そのシーズンにカタールW杯が開催されたのだが、カタールW杯前の前半戦は12試合2得点、W杯後は23試合で7得点と、ゴールを重ねた。カタールでの悔しさを試合にぶつけたのだ。

 久保の強みは、サッカーだけではなく、言語力にある。

 スペイン語、カタルーニャ語、英語はほぼ問題がない。