サッカーで記憶に残っている名場面といえば、2010年の南アフリカW杯でのワンシーン。

 当時、12歳で中学校1年生の夏だ。

 本田圭佑選手がデンマーク戦で決めた直接FKに興奮した。夜中だったのに大きな声を出して近所迷惑かなと思ったら、隣の家からも歓声が聞こえてきた。

ADVERTISEMENT

 次の日、当時の公式試合球である『ジャブラニ』がほしいと母ちゃんにお願いして、数日後に買ってもらって練習に励んだ。

 すると子どもながらに無回転気味のシュートを打てて、うれしかった。サッカーの試合映像を見るタイプではなかったので、プロの真似事をしたのはこの時の無回転FKだけかもしれない。

 それから12年後のカタールW杯のピッチに立つことを、その時の前田大然少年はもちろん知らない。

©JMPA

努力も練習も工夫もせずに足が速かった

 気がついた時には、足が速かった。

 記憶に残っている一番古い出来事は、保育園の運動会で父ちゃんたちと競走した時のこと。

 いま思えば大人はもちろん手加減していただろうけど、自分が勝った。そこで「俺、速いのかも」と初めて自覚した。

 運動会では当然、目立っていたと思う。常に1位でゴールしていて、2位になった記憶がない。幼少期の徒競走やリレーで負けたことは一度もないと断言できる。振り返ってみると、最高に気持ち良かったはずだ。

 小学生くらいで“足が速い男子はモテる”という定説を聞いたことがある人も多いだろう。

 あれは、きっと嘘だ(笑)。だって自分はあまりモテた感覚がないから。あれだけ足が速くてもモテないんだから、やっぱり顔とかビジュアルも大事なんだなって子どもながらに感じていた。

 だから女子に告白されたことがない。自分からアタックするタイプだったのもあるだろうけど(笑)。

 走り方について考えたことはないけれど、学童に通っていた頃に陸上短距離で五輪にも出場した朝原宣治さんのイベントに参加したことがある。ただ、一緒に走ったはずだけど、その記憶はない。走り方を教えてもらったわけでもないと思う。