両親もきょうだいもみんな足が速かったので、遺伝なのだろう。走ることに対して、努力も練習も工夫もしていないのだから。

 中学生になってもずっとトップだった。体育祭なんかで負けていたら、絶対に覚えているはずだ。陸上部の男子にも負けなかった。

 唯一、高校生になってからのマラソン大会で陸上部の長距離ランナーが速いと感じた。

ADVERTISEMENT

 高校2年生の時で、このあと話すけれどサッカー部から離れていた時期だった。それでもサッカー部や野球部の選手に勝って、1位のトロフィーをもらった。

 ただ、陸上部の選手たちは先にゴールしていた。彼らは別枠として出場していたはずだから純粋な競走をしていなかったはずで、でも自分よりも先にゴールテープを切る人間に初めて出会った。

 上には上がいるのかもしれないな、と感じた。

 だからこそ同じ土俵で勝負してみたかったという思いがある。

©JMPA

自分の武器を存分に生かすプレースタイル

 そんな感じで足が速い自分は、サッカーでもその武器を存分に生かすプレースタイルだった。

 とにかく前のスペースにボールを蹴って、誰よりも速く追いつき、そのままゴールを決める。子どもの頃はFW以外のポジションをやったことがないし、走るだけで点を取れるので簡単だった。

 小学生のうちは技術的な練習もしなかった。やっておけばよかったかなと少しだけ後悔しているけど、もしその練習をやっていたら今の自分はできあがっていなかったかもしれない。

 だから結果オーライなのだろう。

 サッカーやそれ以外のスポーツに取り組んでいる子どもたちは、自分が得意とする部分を見つけたら、とことんやればいいと思う。周りよりも秀でている長所は、いつか絶対的な武器になるから。

 前田大然がそれを保証する。

次の記事に続く 「実はオフサイドを理解していない」日本代表の快速FW前田大然28歳が衝撃告白…W杯で“幻のゴール”を決めた時の本音とは「せっかく決めたのに、なんでやねん」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。