私たちが当たり前に使う「関東」「関西」などの地方区分や東日本・西日本という枠組み。しかし京都大大学院で地理学を専攻する重永瞬氏は、その境界線の曖昧さを指摘する。所属が定まらない新潟県や近畿なのに東海の三重県――。地方ブロックの枠組みに縛られない、日本の「本当の地理」を読み解く視点とは? 新刊『新しい日本地理 地図・統計・移動から読み解く』(講談社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む

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日本列島はどう分けられるか

 都道府県を越えたまとまりというと、「地方」が思い浮かぶだろう。

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 現在、日本の地理教科書の多くは、日本を北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州の7つに分ける7地方区分を採用している(図0-1)。

 

 中国と四国を分ける8地方区分や、中部地方を東海や北陸、甲信越などさらに細かく分けた地方区分が使われることもある。

 このような地方区分は高校野球だけでなく、衆議院選挙の比例代表制選挙区や大企業の支所配置など、政治、経済、文化のあらゆる分野に浸透している。よく用いられるこの地方区分を、「地方ブロック」と呼ぶことにしよう。

 地方ブロックは不思議な地域単位である。都道府県や市区町村に比べると法的な位置づけは弱く、その時々で指し示す範囲が異なる。

 例えば、国の地方支分部局で言うと、新潟県は関東経済産業局だったり、北陸農政局だったり、関東信越国税局だったりと所属が定まらない。また、広域地方計画や電力会社の管轄においては東北の一部と見なされることもある。