法廷での責任の押し付け合い、そして判決…
逮捕後、千葉地方裁判所で開かれた裁判において、二人の被告人は対照的な態度を見せた。ハシヅメが起訴事実を大筋で認め、殺害の実行行為も自ら行ったと自白したのに対し、ナカニシは自身の関与を徹底的に矮小化しようと試みたのである。
ナカニシは法廷で、「ハシヅメから『問題ない、100パーセント大丈夫だ』と言われたので、特別な事情がある強盗にならないような強盗だと思っていた」などと、自らの判断能力を放棄したかのような弁解を繰り返した。さらに、殺害の共謀についても「ハシヅメが殺そうと思っているとは知らなかった」「殺害時に口を押さえたのは、気が動転して叫び声を聞きたくなかったからだ」と主張し、強盗殺人の意図を真っ向から否認したのである。
しかし、裁判所はそのような見え透いた責任逃れを許さなかった。
判決では、ナカニシが自らの発案でガムテープや軍手を購入し、暗証番号を聞き出すために包丁でソファを叩いて脅迫した事実を指摘。「強盗にならないような強盗」という認識は極めて不自然であり、信用できないと一蹴した。また、殺害現場でハシヅメから「自分が後ろから刺す」と明確に告げられたにもかかわらず、拒否することなく車からコンドウさんを降ろし、刺される瞬間に口を押さえつけるという積極的な協力行動をとったことから、殺害の共謀も明確に成立していると認定したのである。
平成19年10月31日。千葉地裁は、ハシヅメとナカニシの両名に対し、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
主犯格であるハシヅメに対して「利欲的で身勝手極まりない上、自己中心的かつ短絡的なもので酌量の余地は全くない」と厳しく断罪したうえで、白血病で亡くなった妹についても言及し、「最善の治療を受けられなくなり、結果として死亡したことが認められる。『妹も被告人両名に殺されたも同然である』と訴え、彼らに対する厳罰を求める被害者遺族の心情は十分に理解できる」とし、遺族の深い悲しみに配慮を示した。
2007年11月1日付の朝日新聞によると、妻(コンドウミナトさんの妹)を亡くしたヤスタカさん(当時41歳)は、判決後にこう語ったという。
「妻は被告人二人に殺されたも同然。判決で取り上げて頂いたことには感謝するが、判決は義兄について。妻の死についてではない」。両被告については「何も言うことはない。ただ妻を返してほしい」。
