「このインタビューは真面目に答えたほうがいいんですか?」そんなひと言から始まった取材。R-1王者は小さい頃、どんなテレビを見て育ったのだろうか? 深夜にザッピングしていて出会ったひとつの番組がその後の芸人人生に大きく影響を与えたという。(全3回の1回目/#2、#3はこちら)
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「ドリフなんか見ているのか、ダセえ」でひょうきん族派に
―― 幼い頃のテレビの記憶といえば?
ハリウッドザコシショウ(以下ザコシショウ) 『オレたちひょうきん族』ですね。あとはドリフ。
―― 『ひょうきん族』はいつ頃から?
ザコシショウ 小学1~2年くらい。最初はドリフを見ていて。でも、その頃にもうドリフは“幼稚”って意識があって「ドリフなんか見ているのか、ダセえ。俺は『ひょうきん族』を見ているからな」って、『ひょうきん族』を見始めたんです。『ひょうきん族』派とドリフ派に分かれてね。でも今見たらドリフ、めちゃくちゃおもしろい。その時は、ヘンに突っ張ってたんですかね。
―― 小2くらいで『ひょうきん族』って早熟ですよね。
ザコシショウ 記憶があやふやなんで小3かもしれないですけど。やっぱり(ビート)たけしさんに惹かれました。たけしさんがずっと番組のエースみたいな感じで、みんなひれ伏すじゃないですか。そこに憧れましたね。
あと牛の吉田君とか懺悔の神様とか、いろいろなキャラが好きでした。(片岡)鶴太郎さんが「ピヨコ隊」とか言ってバーって出てくるじゃないですか。今考えると、あれ、お客さんが入っているスタジオでやったらバカスベってると思うんですよ。でも、あのときはノリが時代に合ってたんでしょうね。奇想天外なキャラクターがバッと出てきて、「えっ?」ってなることをしつこくやる。いま僕がやってるようなことに近い。そういうのは、影響を受けてると思います。
あだち充のアニメのエンディングがエロかった
―― 子供の頃、アニメは見てました?
ザコシショウ あの頃はフジテレビとか、夜7時から毎日アニメやってましたよね。あだち充が原作の『陽あたり良好!』っていうのがあったんです。それの絵がね、ちょっとエロくて(笑)。別に作品自体はエロい内容じゃなくて普通なんですけど、エンディングテーマのときにスカートがちらっとめくれるところがあるんですよ。そこで子どもながらに興奮していましたね。
―― クラスではどういう存在でした?
ザコシショウ 僕、小2ぐらいからお笑いをやりたいって言っていたんですよ。それで、すごく根暗な子だったんですけど、小3のときキャラチェンジしようと思って、「小3デビュー」みたいな感じでちょっとはっちゃけたんですよね。前に出て先生に「じゃあ、なんか一発芸をやれ」って言われて、先生のものまねとかをするような。
でも、そういうのも自分の中で飽きたのか、小5、6のときは前に出るヤツを後ろの方でイジってるような感じになりましたね。目立ちたいだけのヤツが絶対クラスで1人か2人はいるじゃないですか。ちょっと変な踊りをするだけで面白くないんですよ。「あんなつまらないことをやって女にモテたいんだな」って、横の仲良いやつに言って笑いを取っていた気がしますね。