御厨貴氏、林真理子氏、野田佳彦氏が、皇室典範改正をめぐる議論の進め方に苦言を呈した。御厨氏は、安倍晋三元首相が亡くなったことの影響の大きさを語っている。その真意とは——。
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高市首相の皇室観が現れた瞬間
林 課題だらけの養子案は拙速に進めない方がいいと思います。高市首相の皇室観が見えないから、なぜそこまで養子案を急ぐのか、理由も分かりませんし。
御厨 高市首相は今国会が終わる7月、自分の成果を喧伝したいんでしょうね。あれだけ総選挙で大勝して国家的なテーマに手を付けていないと格好がつかない。憲法改正といっても、緊急事態条項では物足りないし、時間がかかりますからね。
野田 高市首相は、2022年の「文藝春秋」のインタビューでは「女性天皇には反対しない」といっていたのに、今年3月の参議院予算委員会では慎重になったり、皇室観は揺れています。
御厨 彼女の皇室観を象徴しているのは、4月29日の「昭和100年記念式典」でしょう。
林 あれはひどかったですね。はしゃいでいる高市首相の姿がネットでも流れていますよ。
御厨 天皇皇后両陛下がご臨席なさっていたのにおことばを述べる機会も与えず、自分は気に入ったポップスの演奏が始まると身体をゆらして盛り上がっている。「強い日本」を強調したい首相にすれば改めて陛下におことばをいただくことが嫌だったのかもしれません。さらに、あの式典では両陛下の入場時の先導も官房長官に任せている。前代未聞ですよ。高市さんが皇室を敬っているとは思えないな。
今の議論の進め方を見ていると、安倍晋三さんがいなくなった影響も大きいと感じます。安倍さんとは意見が違うことが多くて、ずいぶん批判したけど(笑)、妥協して全体を調整する力はあった。
野田 2017年の退位の特例法のときも、二分論ではなく周りの意見を飲み込んで、最終的には総意に近づけようという意思がありましたね。日本会議系の意見も押さえ込んでいた。

